■接続手順を調べる方法
国内プロバイダのほとんどは接続手順を必要としない認証方法をとっていますが、海外のプロバイダや国内プロバイダのローミングサービスを利用する場合には接続手順を書く必要があります。
接続手順(スクリプト)に関してはWindows 95用のものは公開されていることが多いのですが、その他の機器に関しては全くと言って良いほど公開されていません。
ここではザウルスを使って接続手順を調べる方法を解説します。
1.パソコンネットを利用して手動で接続する
あまり知られていませんが、パソコンネットを利用してプロバイダに接続することができます。
接続できてもブラウザやメールが利用できるわけではないので、あくまでも「接続」するまでの処理になりますが、どのような文字列がプロバイダから送信され、どのように入力すると接続できるのかを確認する事ができます。
パソコンネット接続先 プロバイダの電話番号を設定します。 |
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接続後の状態 この例はNIFTYですが、接続すると"Login:"プロンプトが表示されます。 プロバイダによっては「改行(^M)」を送信したり、特殊な文字列を送信する場合があります。 |
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プロバイダに接続できた状態 通常"Login:"に続き"Password"が表示されます。 両方とも正しく入力できると などのように表示されます。
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本当に接続できた状態 接続後に「改行」を送信するとプロバイダ側から文字列が送られてきます。(赤枠の中) この状態が本当の意味での接続となります。 |
手動による接続で上手く行くようならザウルスの接続手順を使った接続も可能と考えることができます。
2.その手順を通信手順に置き換える
Windows の接続スクリプトから直接ザウルスの接続手順を組み立てる方法もありますが、ここでは上記のパソコンネットを利用した手動接続の手順を元に組み立ててみます。
手動接続の状況 | 接続手順 | 解説 |
W2: J:5,'Login:',SENDID S:'\n' J:5,'Login:',SENDID S:'\n' J:5,'Login:',SENDID L:ERR |
2秒待ってから"Login:"という文字列を待つ。 もし"Login:"が来たら"SENDID"にジャンプする。 "Login:"が来ない場合は「改行(\n)」を送信して待つ。 3回繰り返して来ない場合はエラーとして処理。 |
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:SENDID S:'---ID---\n' J:10,Password',SENDPASS L:ERR :SENDPASS
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SENDID コネクションIDを送信。("---ID---"の部分にコネクションIDを記述) "Password"の文字列が来るのを待つ。 来ない場合はエラーとして処理。 SENDPASS パスワードを送信 |
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J:30,'Enter',CONNECT ERR: CONNECT: |
"Enter"という文字列が来たら正常接続ができたことになる。->"CONEECT"にジャンプ ERR: それ以外はエラーなので"O:"コマンドを使って接続を切る。 CONNECT: 正常に接続できたら改行(\n)を送信。(複数回送る必要のある場合もあります) |
"E:コマンドで接続手順は完了しその後の制御はザウルス側が行う事になります。
注意点としては"Entering PPP More."が表示された後に改行(\n)を送信する必要があるということです。
ここを省略すると接続できない場合があります。(省略してもできる場合もあります)
1回だけ改行を送っても上手く行かない場合があります。
この場合は複数回改行を送ると接続できる場合があります。
■どこまで接続できたかを調べる
これはMI-610(多分MI-310でも可)でしか試せない裏技ですが、PPP-Logを使うとどの程度まで接続できたのかわかります。(と言っても、接続できたかできなかったかの判断だけですが)
PPP-Logの例 この例では"210.174.73.25"が表示されており、正常にプロバイダに接続できたことがわかります。 |
このような方法で接続手順を組むことができるのですが、実際には改行コードの違い、送信タイミングの違いなどがあり、接続できるようになるまでの苦労は多いようです。