■電話回線コネクタ形状の違い
日本国内の電話回線コネクタは古い家屋では直結になっている場合がありますが、通常はPJ-11という形式のワンタッチジャックになっています。(ザウルスで内蔵しているモデムの持つジャックもPJ-11です)
PJ-11ジャック 一般的な形状のジャックです。 ザウルスに付属のケーブルもPJ-11仕様です。 |
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韓国の電話回線コンセント その他はこちらを参照 |
PJ-11の形状はアメリカなどでも標準となっており、日本国内のものをそのまま利用する事もできますが、アジア、ヨーロッパでは規格が入り乱れており変換プラグが必要となります。
それぞれの国別に専用の変換プラグが市販されているのでそれを購入しておくのが最も確実です。
ホテルなどでは部屋の中にデータ通信専用のPJ-11ジャックを別途用意している場合やフロントでPJ-11変換用アダプタの貸し出しをしている場合もああります。
予約時にデータ通信用モジュラジャック付きの部屋を指定できる場合もありますので、確実な通信を目指す場合は問い合わせて予約しておくと良いでしょう。(ただし、料金が割高な部屋となる場合が多いようです)
■変換アダプタの調達場所
パソコンショップでも変換プラグを扱っていますが、モバイル専門ショップなどの方が充実していますし、店員の知識も確かです。
通販などもしているので身近な店が無い場合に利用すると良いでしょう。
オンラインショップ |
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アイツーモバイル専科(秋葉原) | PDAに強く品揃えが豊富なので海外旅行に行く前にWebを見ておくと参考になる機器がたくさんあります。 |
電脳ウルフ館モバイル専科(大阪) | |
T-ZONEモバイルステーション | モバイル関連機器単独のページは無いようですが、ONLINEショップで各種機器が購入できます。 |
LAOX ダイレクト(秋葉モバイル館) |
また、成田空港などの空港売店でも取り扱っています。(ただし、品切れという場合もあるのでできるだけ事前に調達しておいた方が無難です)
■電話回線チェッカと延長ケーブル
ザウルスに付属しているモジュラケーブルは短めなので余裕のある長さのケーブルと取り替えるか、延長ケーブルを調達しておくと良いでしょう。(ホテルなどでは電話回線が奥まった場所にあり、引き出すときに付属ケーブルでは長さが足りない場合があります)
また、安全策を取るなら「回線チェッカ」を使ってあらかじめ電話回線の規格をチェックしておきましょう。
回線チェッカと回線アダプタ 回線チェッカを電話回線側のジャックに差し込むと「緑色」は接続可能、「黄色」は回線電圧が反転していることの警告、「赤色」は回線電圧等の異常で利用しない方がよいことを警告しています。 詳細情報はこちらでロードウォーリアの項目を参照 |
・安全な回線、危険な回線
回線電圧の反転については、アナログモデムを繋ぐ上では問題が生じないようなのでそのまま接続してもかまいませんが、もしあるなら反転用コネクタなどを利用して利用すると良いでしょう。
回線で問題となるのは電話回線に直結されているものではなく、構内交換機(PBX)に接続されている場合で、規定以上の電流が流れる可能性のあるものです。
ここに繋ぐとモデムが壊れますので、危なそうな回線は事前のチェックが必要となります。
なお、国内でも危険な回線は存在します。
■より安全な通信を目指すなら
これまで説明したものは電話回線に直接モデムを接続するためのものですが、回線仕様などの違いによる若干の危険性も伴います。
そこで、直接接続するのではなく間接的に接続する方法として「カプラ」を利用する方法があります。
カプラの中身は「マイク」と「スピーカー」が主なものです。
これを受話器に取り付けます。(マジックテープを巻き付けて留めるものが多いようです)
モデムから出力される信号は「ぴ〜ひゃら」音に代表される音声信号(アナログ信号)です。
この音を電話機の受話器に流しても通信できる場合があります。(ただし一方通行になりますが(^^; )
カプラはこの原理を応用して自分のモデムの音をスピーカーから出力して受話器の送話口に流す、相手のモデム音を受話器の受話口からカプラのマイクに流すという仕組みになります。
カプラ これと電話機を密着させて通信を行います。 詳細情報はこちら |
・カプラのメリット
直接電話回線に接続するわけではないため回線仕様の影響は受けません。
基本的にカプラには国別の認定がないため合法的な利用ができます。
一般的な受話器なら形を選ばず接続できます。(例えば出張先のオフィスの電話から配線操作することなく通信することもできます)
・デメリット
周りの騒音や電話回線のノイズに弱く通信速度が思ったほど上げることができない場合があります。
室内で9600〜14,400bps程度、屋外では2400bps程度まで下がる可能性があります。
公衆電話でも利用できますが、受話器にスリットなどが付いている場合にはそのスリットから外部騒音が入るため受話器を覆う必要があります。(カプラに合わせたゴム製の専用カバーが別売されていることがあります。 無い場合はタオルなどで覆うと改善されます)
カプラにも電源(単4電池や9Vの006P電池)が必要になるため、その管理が必要となります。
カプラ単体でザウルス並のサイズと重さです。
■海外での携帯電話を利用した通信
海外でデジタル携帯電話を利用する場合にもデータ通信カードが必要になりますが、ザウルスで利用できるものはほとんどありません。
ヨーロッパのデジタル携帯電話であるGMS対応のデータ通信カードはパソコン用のものは日本国内でも調達可能ですが、ザウルスに対応したものはありません。
唯一例外的にMI-610用のGMSカードがあるらしいのですが、香港の会社でしか取り扱っているのを見たことがありません。
念のため、日本国内向用のデジタル携帯電話用カードはGMSには対応していません。(が、どうもごく一部の機種が対応しているような気配があります(^^; )
当然の事ながらCE-DA4等のザウルス専用アダプタも対応していません。
よって海外で携帯電話+ザウルスといった運用はできないという事になります。
■これが使えれば問題が解決できるのに...
ザウルスシリーズの弱点として「モデムカード」などの通信系カードを選り好みするというものがあります。
ごく一部の機種は利用可能なのですが、ほとんどのものが利用不可能です。
TDKが販売しているこのカードが使えれば「認可」という点はクリアできます。(ただし、国別の回線仕様に適合させるためのユーティリティがWindows版だけだったりします(^^; )
過去の情報からこのカードはザウルスで利用できなかったはずです。(最近チェックを入れてないのでもしかすると...という可能性はあります)
TDK DF2814 利用可能とされている国 オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、大韓民国(韓国)、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ、アルバニア、アルジェリア、アンドラ、アルゼンチン、バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、バミューダ諸島、ボリビア、ブルネイ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、チリ、コロンビア、コンゴ共和国、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、ガーナ、グアテマラ、ホンジュラス、コートジボワール、ジャマイカ、レバノン、リヒテンシュタイン、マリ、モーリタニア、モーリシャス、モロッコ、ネパール、ニューカレドニア、ニカラグア、ニジェール、ナイジェリア、パキスタン、パナマ、パラグアイ、ペルー、サウジアラビア、セネガル、トーゴ、トリニダード、チュニジア、ブリキナ ファソ、ベネズエラ、イエメン、ザンビア |
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