■海外通信におけるトラブル
1.スクリプトが必要なアクセスポイント
海外からの通信状況を見ると一番問題になるのが「接続手順」の問題です。
国内のプロバイダで通信手順が必要となる物は皆無ですが、海外でローミングサービスを使うと接続スクリプト(ザウルスで言うところの接続手順)を必要とする場合が結構あります。
接続手順作成は経験的な要素が大きいのですが、Windows 95/98用のスクリプトが公開されていればそれをザウルス用手順に置き換えることができます。
これまで手順作成上で問題となった部分は「改行」コードの問題で、CRLF(文字コード 0dh,0ah)か、CRのみ(0dh)などの違いで接続ができないことがありました。
接続手順に関しては未解決な部分も多いため快適な通信を目指すならローミングではなくて「自前のアクセスポイント」を持つプロバイダを利用した方が良いでしょう。
これまでの情報から最も接続性の良いのはIBMネットです。
2.メール送受信の場合に「サーバで異常が発生しました」と表示される場合
この問題も過去に「謎」とされていた現象なのですが、ローミングサービスで接続できてWebブラウジングなどは正常にできるのに、メール送受信(特に受信)を行おうとすると「サーバで異常が発生しました」と表示される場合があります。
これは、一部アクセスポイントにおいてURLからIPアドレスへの逆引きに対応していない場合がある(Infowebの場合)という問題がその原因となっているようです。(Special Thanks 「たくや」さん)
URL->IPアドレスの逆引きとは "pop.asahi-net.or.jp" のようにURLでメールサーバを指定した時に"pop.asahi-net.or.jp"が実際にはどのIPアドレスに該当するのかを検索する機能です。
例えば "pop.asahi-net.or.jp"はIPアドレスで記述すると"202.224.39.6"になります。
通常のプロバイダであれば逆引き機能が正常に動作して"pop.asahi-net.or.jp"を認識してくれるのですが、一部のプロバイダではこの機能が正常に利用できないようです。
補足:逆引きの意味として、あるプロバイダを経由してメールサーバにアクセスした場合、アクセスポイント毎に設定されている「ホスト名」がメールサーバに通知されます。
メールサーバ側からそのホスト名を元にNS-LOOKUP(ホスト名からIPアドレスを検索)を行うと本来は何らかのIPアドレスが返されるはずなのですが、プロバイダ側の設定当によりこのIPアドレスが返されない場合があります。
メールサーバ側の不正アクセス防止策としてNS-LOOKUPでIPアドレスがかえらない場合にはメールサーバにアクセスさせないという仕様になっているとザウルス側で「サーバで異常が発生しました」というエラーになるようです。
・対策方法
確実な方法ではありませんが、もし、逆引き機能が働かないなら直接IPアドレスを設定してしまうという方法で対応できそうです。
1.IPアドレスを調べる
URLからIPアドレスを調べるにはNSLOOKUPという機能を使います。
ここでメールサーバに関するURLがどのようなIPアドレスに該当するのかを調べます。
Non-authoritative answer: Name: pop.asahi-net.or.jp Address: 202.224.39.6 |
NSLOOKUPを使うとpop.asahi-net.or.jpに該当するIPアドレスが202.224.39.6ということがわかります。 |
■ザウルス側の設定
接続条件1での設定 通常なら SMTPサーバの設定も同様に直接IPアドレスを指定して送信することができます。 |
海外アクセスで問題となるもう一つのポイントはネームサーバに関する問題です。
ここにはローミングサービスで指定された物を選択するのですが、"dynamic"と指定されている場合などには日本国内で利用しているプロバイダの物をそのまま設定する必要があります。
接続設定3 ネームサーバに関してdynamicになっている場合は国内プロバイダのネームサーバを指定します。 |
これで接続できると良いのですが(^^;