■暗闇の中でザウルスを使う
PIシリーズのザウルスにはバックライトが無いため暗闇の中ではほとんど役に立ちません。
また、MIシリーズでもMI-100系、MI-P1、MT-200のモノクロ系にもバックライトはありません。
モノクロ系マシンのバックライト化はザウルスシリーズでもチャレンジされた方がお見えですが、特殊なパーツを必要とすることや技術的な問題で誰もが可能とは言えません。
そこで新型の蓄光シートを使ってバックライトの代用になるのかを実験してみました。
注:この方法が実用になるのはPIシリーズだけです。
MIシリーズは液晶の偏光板仕様などが違うため、同様な改造方法を採った場合画面が見えなくなる可能性があります。
■蓄光シート「ルミノーバ」
このシートは従来の蓄光シートに比べて長時間の発光が可能となっています。
ルミノーバパッケージ 10倍明るく10時間発光と書かれています。 サイズは150x148mmでザウルスポケット、コミュニケーションパル、アイゲッティなら2台分(2画面分)のサイズとなります。 |
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ルミノーバパッケージ裏 この仕様によれば蛍光灯の光に10〜30分間照らせば8〜10時間光るとあります。 |
■ザウルス側の改造
ザウルスはバックアップとして保存してあったPI7000を用意しました。
このあたりの機種は何度も解剖しているため液晶パネルの取り出しも簡単です。
液晶パネルユニット この画像ではすでに液晶本体部分とフレーム部分を分離してありますが、両面テープで接着されているため、非常に分離しにくくなっています。 |
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液晶パネルに張られた反射シート 液晶パネルの裏面には外部の光を反射するミラーシートが貼られています。 このシートも密着しており非常にはがしにくくなっています。 |
■蓄光シートの加工
蓄光シートは液晶サイズに切り出しておきます。
このシートはやや厚みがあり、反射シートの5倍ぐらいの厚さ(それでも0.5mm程度)になりますが、実際に組み上げたところ問題にはならないようです。
蓄光シートにアルミホイルを貼る 蓄光シートは薄いため、裏打ちしないと透けてしまうのと、少しでも光を反射するようにするために裏側にアルミホイルを貼ります。 蓄光シートの裏側はシールになっているため貼るのは簡単ですが、しわにならないように貼るのは至難の業です。 アルミホイルよりは薄手のアルミシートをしわにならないように貼った方が良いかもしれません。
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液晶パネルユニットとの位置関係 反射シートをはがした液晶パネル、その下に蓄光シート、その下にプラスチックの液晶フレームという重ね合わせとなります。 |
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蓄光中 ここまで接近させませんが、通常の事務室並の光で蓄光して実験開始です。 |
■見え方の違い
蓄光シート改造化を行うと液晶裏面の反射シートが無くなるため、通常の利用時に若干見えにくくなります。
それでもある程度の明るさがあれば蓄光シート自体が多少発光しているため、反射シート付き液晶程度には見えるでしょう。
PI8000の画面 反射シート付きの場合はこのようにはっきりと見えます。 画像はスキャナ上にPI8000とPI7000を並べてスキャンしたため、通常よりかなり明るい状況での見え方となります。 |
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PI7000の画面 同条件で比較すると若干鮮明度が落ちます。 |
■暗いところでの見え方
比較画像をデジカメで撮ろうかと思ったのですが、目では見えるのにデジカメじゃ暗すぎて撮影できませんでした。
そのため、見た目を再現しています。
PI8000 ほとんど画面は見えません。 |
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PI7000 約30分蓄光後、10分放置したあとの状態 鮮明とは言いかねますが、ある程度見えます。 |
■実用度
30分蓄光後約3時間まではどうにか画面が判別できる程度の明るさを保ちますが、それ以上経過すると画面の文字が読めなくなる程度まで光が弱くなります。
それでもまた数分光をあてるだけでしばらくは発光するので完全な暗闇で作業するのでなければ実用度はあると思います。
問題点としては通常利用の場合、反射シートの除去により多少視認性が落ちること、蓄光シートの貼り方が難しいためしわになりやすいこと(実際に試作品でもしわになってます)、光にあてておかないと蓄光されないため、イザと言うときに役に立たないことでしょうか(^^;
実験レベルなら楽しめるのですが、実用レベルとなるとちょっと問題を感じます。
技的には懐中電灯(マグライト)でしばらく照らすと発光するようになります。
もう一つの方法として、蓄光シート単体で利用して蓋の裏などに貼り付けておいて照らしてもある程度見えます。