(でも玉砕だ!!(T_T)):MI-610での実験
キュリオシティーについてはこちらを参照してください。
簡単に言うとネットワーク上に構築された仮想空間都市ということになります。
キュリオシティーの新サービスとしてブラウザ上で利用できるキュリオメールというものが公開されたので早速パワザウを使ってアクセスしてみました。
注意) CURIO MAILサービスは現在無料で提供されていますが、テスト運用中であり、突然のサービス停止もありうるしメールのセキュリティに関しても通常のメールシステムに比べて弱いところがありますので、その点を考慮する必要があるでしょう。その後も提供されています。
■ブラウザで利用できるメールシステムのメリット/デメリット
パワザウの弱点として同じプロバイダにアクセスしているのにブラウザとインターネットメールの両方の利用が同時にできないというものがありました。
このためメールとブラウザの利用という操作で2回の電話回線接続が発生し、電話利用金の無駄が結構発生します。(ちょっと前までPHSのデータ通信は1通話の最初1分が20円だったのでこの問題はPIAFS利用時に結構目立った無駄でしたが、最近データレートF5契約が変わってデータ通信に限り最初の1分も10円となりました。)
この点、ブラウザ上でメールの送受信ができるなら効率のよい回線利用ができることになります。
デメリットとしてはメールがパワザウにしろ、パソコンにしろメーラのメールボックスに入るわけではない(キュリオメール上で保存できるが)のでキュリオメールだけを使う場合にメールの保管という面で難点があります。
他のメールアドレスがあるなら、回避策としてはキュリオメールで受信したメールをそちらに転送するという方法が採れるのであまり大きな問題では無いかもしれません。
その他の問題としてキュリオメールでは添付データは扱えません。
でもその前にキュリオメールがパワザウで使えなければ何のメリットも無かったりします。
画面 |
解説 |
キュリオシティーのメインURLは http://www.curio-city.com/ となりますが、ここにアクセスするとまず最初にブラウザのチェックが行われて各ブラウザに最適化されたページにジャンプするようです。(javaが使われる場面があるようですが、パワザウなどのように利用できないブラウザへの対策もできています) | |
パワザウの場合、アクセス先のサーバに提示するブラウザ名は
[sharp pda browser]なので、その他のブラウザが選択されるようです。 まず最初に「Curio Mailとは」を読んでおくと良いでしょう。 |
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Curio Free Mailの新規登録にタッチしますが、表示される画面はフレームになっているので上のフレームをタッチします。 タッチするとCURIO MAILサービスの契約書が表示されますので、良く読んで「同意する」にタッチしてください。
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ユーザー登録画面です。 ユーザー名は早いもの勝ちです。(marutoは押さえました(^_^)v) この他に住所等の個人情報を登録する画面が現れますので適宜入力してください。 パワザウで登録すると結構時間がかかります。(私の場合で約10分) |
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登録した直後からIDとパスワードは有効になりますので、キュリオシティーのタイトルページで早速ログインしてみます。 | |
が、パワザウの場合ここで、玉砕してしまいます。 正しいIDとパスワードを入力したにも関わらず「パスワード違いエラー」となります。 |
■キュリオメールが利用できない原因の考察
キュリオメールの仕様を読むとHTML2.0以降対応となっていますのでパワザウのHTML3.x対応なら問題無いはずですが、 http://mail.curio-city.com/cgi-bin/CurioMail/Bin/kiyaku.pl を表示する(CGIの実行)段階でエラーとなってしまいます。
ログイン画面のソースコードからこの時の動作を見ると入力されたIDとパスワードがCGI(サーバ上で動くプログラム)で処理されて画面を表示するようです。
当初文字コードが何らかの影響を与えるのかと考えてEUCとS-JISを切り替えてみたりしましたが、こちらが原因ではないようです。
この現象を解析するために、パワザウのインターネットキャッシュをundocumentedしてみました。(例によって対ザウルス汎用通信ユニット利用)
今回は一度パワザウのキャッシュをクリアした上でキュリオメールにアクセスして一通りの操作を行った後でHOT0001.CHEとHOT0002.CHEという2つのファイルをundocumentedしました。
キャッシュファイルからで得られた情報 | 情報で読みとれること |
HTTP/1.0 200 OK Server: Microsoft-IIS/3.0 Date: Mon, 26 Jan 1998 19:52:04 GMT Content-type: text/html Set-Cookie: ASPSESSIONID=JQQMKGHGYPNYQYFB; path=/ Cache-control: private |
キュリオシティーの運営はWindows NTサーバ上のIIS(Internet
Infomation Server)3.0で稼働していること、クッキー(サーバから渡される識別情報)を送ってきていることがわかります。 Cache-control: private これはデータキャッシュをどのようにするかの設定でprivateの場合はブラウザのキャッシュだけにとどめ、proxyサーバーにはキャッシュしない設定だそうです。 |
<FORM ACTION="http://mail.curio-city.com/cgi-bin/ CurioMail/Bin/kiyaku.pl" METHOD="POST" target="_top"> |
この部分がログインデータを送信する相手のCGIプログラムを指し示しています。 IDやパスワードなどの送信データはここの引数となってその結果が返されるはずなのですが、その結果がIDやパスワードエラーとなって返されます。 |
Date: Mon, 26 Jan 1998 19:53:51 GMT Server: Apache/1.2.5 mod_perl/1.07 Set-Cookie: WWW_passwd=xxxxxxxxx; Connection: close Content-Type: text/html <html> <head> <title>CURIO MAIL</title> </head> <frameset rows="*,80" border="0"> <frame src="/cgi-bin/CurioMail/Bin/ kiyaku.pl?user=xxxxxxxxx&kiyaku=on" name="mcool" noresize frameborder="no"> <frame src="/CurioMail/default3.html" name="mmain" noresize frameborder="no" scrolling="no"> </frameset> </frameset> </html> |
これがエラーとなったページのキャッシュデータです。 クッキーのWWW_passwd=xxxxxxxx;という部分は入力したパスワードがそのまま表示されていたので伏せ字にしました。 これを見るとidとかを処理する部分は別のサーバ上にあるようです。(Apacheは代表的なUNIX上のHTTPサーバです) mail.curio-city.com/cgi-bin/CurioMail/Bin/ このソース部分はフレームページのフレーム構成を現していますが、<frame
src="/cgi-bin/CurioMail/Bin/kiyaku.pl? |
このデータを見る限り、パワザウが悪さをしているとは思えないのですが、唯一気になるのがクッキーを果たしてパワザウが処理しているかどうかという点です。
ID処理画面では Set-Cookie: WWW_passwd=xxxxxxxxx; というものが提示されますが、ここのWWW_passwdにパスワードそのものが記録されています。
本来クッキーはブラウザが動作しているパソコン等に記録され、サーバ側で動作するアプリケーションの要求に応じてそのクッキーを返すことができたと思うのですが(私もこの点について詳しいわけじゃありません)、もしそのような動作をしていてパワザウがクッキーを返せないとしたらエラーになってしまうのではないかと推測します。
パソコンのブラウザを使った場合でも一旦ブラウザを閉じて再度ブラウザを開き http://mail.curio-city.com/cgi-bin/CurioMail/Bin/kiyaku.pl?user=xxxxxxxx&kiyaku=on に該当するURLを入力しても「パスワードエラー」となりアクセスできない状況となります。
この時、正規にパスワード等を入力してメール送受信画面が表示された後は他のページを表示したあとでも上記URLを入力すればいつでもメール画面にジャンプすることができます。(正確にはCURIO MAIL契約書の画面に入った後、メール画面に移行できます)
これはキュリオメールで要求されるクッキーに関する「有効期限がそのブラウザを開いている間だけである」ということであれば一つの原因要素として挙げることができそうです。
■推測するキュリオメールへのログインの仕組み
・IDやパスワードを入力
・正規ユーザーと認識された段階で正規ユーザーとしての情報を含んだクッキーを返す
・そのクッキー情報をサーバに返すことによりサーバ上で処理が行われキュリオメールの各画面(各個人ごとのメールボックス等)が表示される。
こういったことじゃないかと思うのですが、この時パワザウがクッキーを処理できていないとキュリオメールサービスの要求される情報を返すことができずパスワードエラーになってしまうのではないでしょうか?
クッキーに関しては前述のように私も詳しく無いのでこれがHTMLのバージョンとどのように関わっているのか/ブラウザとして必須事項なのか?がよくわからないのですが、クッキーの意味を考えるとパワザウのブラウザはクッキーに関する処理ができないのではないかと考えざるを得ません。
クッキーに関する解説(参考)茂手木 孝昌さんのHTML解説より http://www.netlaputa.or.jp/~mote/html-memo/cookie.html
パワザウにおけるクッキーの処理が原因なら根本的な問題なのでキュリオメールの利用はできないことになります。
undocumentedしてもクッキーデータらしいものがパワザウ上にはありません。
パワザウがクッキーをどう処理するかについてはCGIを使ってプログラムを組めばわかるらしいのですが、現時点での技術りょくではそこまで対応できないので、本件はザウルスユーザーのニューズグループ fj.sys.zaurus に投稿して詳しい人のコメントを待ちたいと思います。
もう一つ、キュリオメールの管理担当にもこのページを見てもらうようメールを送るつもりです。
キュリオメールのご担当者へ->パワーザウルスのようなPDAこそキュリオメールを利用するメリットが出ると思いますので対応できるようにお願いしますm(_ _)m
■パソコンでキュリオメールを使う価値は?
キュリオメールのうたい文句はブラウザでメール送受信等ができることと、別名のメールアドレスを持てることとなっっています。
別メールアドレスに関しては自分自身のパソコン上で動作させるメールソフトが複数のメールアカウントに対応しているものならジオシティーズの無料メールを利用することができるのであまり価値がないかなと感じます。(ジオシティーズのメールは転送もできます)
キュリオメールを使うシーンを考えると自分のパソコンを持たずに(例えば出張とか)出先にあるパソコンを利用してメールの送受信を行うという場合に利用できるかな? というところでしょうか。(インターネットカフェで見るなどの利用方法ができそうです)
メールの転送ができるプロバイダなら出張等の時には全てキュリオメールのアドレスに転送しておいて、アクセスできる場所で見ていくという方法が考えられます。
この場合もメールの保存をどうするかとか添付データを見ることができないとかの問題はありますが、どこでもメールが読めるというメリットは出そうです。(通常のメーラを使う場合にはそのメーラに対してメールアカウントを登録する必要があり、他人のPCでこういったことはしにくい状況です)
メールアドレスを複数持つことのメリット、デメリットはありますが、メリットとしては懸賞などで自分のメールアドレスの記入を要求される場合、そのメールアドレスがDMメール等に利用される場合も多々あるため仕事用のメールアドレスと分けておきたいという用途があげられます。
デメリットはメールアドレスが多くなりすぎると管理が面倒になるという点でしょうか。
もう一つのデメリットはこういう無料メールアドレスを取得すると、いい気になっていたずらメールを出す人間が増えるということでしょうかね(^_^?
サービスとしては面白いし、キュリオシティーも遊べるページなので一度覗いてみて下さい。
■クッキー対応機種なら使えるかも
MI-310以降はクッキー対応なのでCurioメール他のWebメールは使えるかもしれません。
この実験をした当時はジオシティーズ(geocities)がPOP before SMTP対応だったためこの機能を持たないザウルスでは利用できなかったので使えるWebメールを探してあれこれ試行錯誤していました。
今はPOP before SMTPも使えるのでWebメール関連の実験はしていません(^^;