■なんとかして大型キーボードが使いたい
機動取材システムの研究過程でネックになるのがCE-KB1の煩わしさです。
「無いよりはマシ」というレベルで手書き入力ではへこたれてしまいそうな長文を作成する上でCE-KB1は欠かせないものなのですが、キーピッチやキータッチでこれがベスト(ベター)とは言い難い状況です。
他のPDAを見るとPalm TopはPC/AT互換機やAppleのメッセージパッドのキーボードを利用することができ見るからに入力しやすそうです。
また、SIIのTipoもPC/AT互換機のキーボードを接続できるインタフェースを発売しています。
ザウルスでもPC/AT互換機キーボードが使えないか? を追求したのがCE-KB1の改造です。
■CE-KB1の構造
CE-KB1の全貌 快適とは言えないが最低限の入力ができるキーボードです。 本当の意味でザウルス専用とは言い難くスクロールキーが使えない場面があったりモード切替でザウルスのタッチが必要だったりと使い勝手に疑問のあるキーボードです。 |
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裏蓋を外したところ 裏蓋を外すのはネジ止めを外すだけではダメで一部接着されている部分を無理矢理剥がすひつようがあります。 開けてみるとワンチップキーボードコントローラとクロックモジュール、若干のコンデンサとキーボード接続用ケーブルコネクタだけがあります。 空きパターンに部品が実装されていない部分を見るとこれは何らかの汎用キーボードを流用しているのではないかと推測したくなります。 |
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キートップとキーボード基板 電卓と同じような構造です。 キーにタッチすると上の導電性ゴム素材の接点が下の基板の接点をショートしてキー入力状態となります。 |
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キートップ 導電性ゴムパッドと一体形成されています。(この裏側にゴムパッドがあります) |
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導電性ゴムパッド 電卓のキーボードやリモコンなどに使われています。 多分カーボン混入で電気を流すゴムです。 |
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キー接点 こちらも電卓やリモコンのような接点です。 接触面積を増やす工夫がなされています。 |
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キーボードコントローラ PC/AT互換機のi8042(ワンチップCPUベースのキーボードコントローラ)と同様のものではないかと推測しています。 キー接点は行/列のようにマトリックス化されており、どの接点が押されたかをコントローラが検出してキーコードを作り出し、シリアルデータとしてザウルスに送り出しています。
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■大型キーボード化
大型キーボードへ改造する方法として考えたのがCE-KB1のキーボード接点とPC/AT用キーボードの接点を並列に接続する方法とPC/AT用キーボードのコントローラに入る信号(キーマトリックス後)をCE-KB1のコントローラに流すように接続する方法の2案を考えています。
1.力技で全結線
こちらは手順さえ間違えなければ確実に動作すると思われるものですが、CE-KB1のキー接点とPC/ATキーボードの接点をリード線で接続するという方法です。
数個のキーでテストしてみましたが入力上の問題はありません。
ただし、1つのキーに付き2個の半田付けが必要となるためCE-KB1とPC/ATと合計で400ヶ所近い半田付けが必要になります。
半田付け部分の信頼性に疑問があるためこの方法で改造して良い物か思案しているところです。(試作段階ではラッピングワイヤを使いましたがこれは折れるのでヘッドホン用の補強入りケーブルを使うなどの工夫が必要となりそうです)
2.キーボードマトリックスの解析とその応用
キーボードの構造を見るとキーの接点が一対一でキーボードコントローラに接続されるわけえはなく、キーの配置を行と列に分けたマトリックス(配列)構造になっていることがわかります。
例えば"a"なら2行1列目のキーというように行と列でキーの位置を現すことができます。
ただし、複数のキーを同時に押した時の判定に問題を生じる時があります。
マトリックス概念 行/列の交点上にキー接点が存在します。 キーが押されると「行」と「列」の位置がキーボードコントローラで検出されます。 |
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ノートPC用キーボード このキーボードはノートPC用のジャンク品です。 フィルムケーブルからはマトリックスされた状態の信号が出ます。 |
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試作状態 キーコントローラに直接キーボードの出力を繋いでみたものです。 |
この方法を採る方が汎用的だと思われるのでPC/ATのキーマトリックスとCE-KB1のキーマトリックスの比較表を作り配線を検討する予定です。