これはMI-506当時の実験です

■ザウルスシリーズのPIAFS対応状況

いろいろしがらみがあるのでしょうが、シャープが公式に認めているPIAFS通信可能なPHSはNTTパーソナルのものに限られます。

これ以外のアステルやDDIは公式には使えないことになっています。(アステルは後述の通りちょっとした工夫で利用可能です)

また、PIシリーズ、カラーザウルス、パワーザウルスともPIAFSのPTE-FAXを利用したFAX送受信ができないということにも注意が必要です。(ザウルスポケットに関してはCE-PA2を利用することでPIAFS PTE-FAXを利用したFAX送信が可能となっています。FAX受信はできません)

特に問題となるのがDDIポケットで、この端末はNTTパーソナルやアステルと違った形状のデータ通信コネクタを持つためザウルスが標準的なインタフェースとしているCE-PA1やNTTパーソナルのデータ通信カードで利用することはできません。

このような問題をクリアするために機種変更やキャリア変更が必要になります。


98/06/08補足

パワーザウルスMI-610からアステルの端末、DDIの端末(SII 6530利用)も利用可能になりました。


1.機種変更及びキャリア変更手続きの実験

PHSは次々と最新機能を搭載された機種が発売されます。

私の場合も最初に購入したPHSはNIFTYがモニタと偽って会員に売りつけたアステルのPHS(*注)でしたが、その後PIAFSが開始された時にNTTパーソナルの312S(とザウルス用インタフェースCE-PA1)を購入し、パワザウの発表と同時に321Sを購入しました。(*注 以前NIFTY SERVEの一部フォーラムで移動通信のモニタユーザ募集という趣旨で告知があり真に受けたメンバーが申し込んだが、単にPHSを売りつけた(本体は無料)だけだったという事件。契約手続きも含めてあまりひどい対応なのでNIFTYに対して抗議続出だった)

312Sから321Sに変更するときに312S用に設定されていた電話番号を321Sに移行する作業と余った312Sをアステルの端末に変更する作業を行ってみました。


・機種変更とは

現在手持ちのPHSの設定(電話番号)を他のPHSに移し替える作業です。

機種変更後の旧端末は設定がクリアされ「白端末」という状態になります。(電話の受発信はできなくなります)

新しいPHSのほうは旧PHSの契約を引き継ぎ(留守電、キャラメール等)その場で使えるようになります。

作業時間は書類を書いたりする時間を含めて20分程度です。


・キャリア変更とは

現在PHSの通信サービス提供業者(キャリア)はNTTパーソナル、アステル、DDIの3社があります。

ユーザーはそれらの業者と契約してPHS端末で通信できるように各種登録を行うのですが、PHS端末自体はどの業者でも利用可能な仕様となっています。

ただし、通話以外の付加機能である留守番電話サービス、キャラメール(Pメール)、PIAFS通信、αデータ通信(DDI)などに関してはPHS端末そのものに特別な仕様を必要とするものもあります。

各社の端末には最低限の互換性があるため、通信業者の契約切り替え=キャリア変更という作業が可能となっています。

キャリア変更をするためにはまず、既契約業者との契約解除を行いPHS端末を白端末化(本体に何の情報も登録されていない状態)にし、その端末を新規業者に持ち込んで端末に契約情報を登録してもらうという作業になります。


2.費用(当時の価格)

項 目 金額 備考
321S 17,000円 (充電器等一式付き/FAXソフト無しのBモデル)
工事費 1,900円 (電話番号等の移行費用)
小 計 18,900円  
消費税 945円  
合 計 19,845円  

既に持っているPHSの契約が引き継がれるため契約事務手数料(3,000円)は発生しません。

基本的には1900円の工事費のみかかることになります。


3.機種変更可能な場所

NTTパーソナル営業所、NTTパーソナルショップ

NTTパーソナルの案内 0120-898956 で場所を教えてくれます。

東京:秋葉原の家電店店頭で321Sを見てきましたが大体19,000円前後でした。

当初、新たに321Sを買って312Sは契約解除しようかと思いましたが、NTTパーソナルプラザ(秋葉原)が目に止まり、聞いてみたら番号も変わらないし価格的にも予算範囲内だったので即変更しました。


・98/01/27補足

発売当初17,000円だった321Sも既に店頭では7000円ぐらいで発売されています。(OEMもとのシャープが発売している端末(PD−J1)なら更に安い)

・2000/03/05

その後341S/611Sなどが登場したため


■NTTパーソナルからアステルへのキャリア変更

321Sの購入で余った312Sをアステルで契約してみました。

キャリア変更作業(端末登録作業)のできる拠点は限られているので事前に調べてから持ち込んだほうが良いと思います。

費用としては、既にアステルに加入していたため機種変更の手数料(1500円)だけで済んでしまいました。

もし、新規に契約する場合は多分事務手続き費用で3000円程度余分に必要になるものと思われます。

作業時間は約2時間です。(NTTパーソナルは秋葉原のショールーム地下で機種変換作業をしてくれるのですが、30分程度で終わりました)


・キャリア変更後の状況

私の場合PHSは通信がメインであるため、留守電他のサービスはあまり利用していないので不具合は感じないのですが、高機能留守番電話サービスや転送電話サービスが利用できないそうです。

肝心の機能としてPIAFS周りに関しては直結、アステルのプロトコル変換装置経由等を含めて利用可能ですが、パワーザウルス他を利用してアステルのプロトコル変換装置を経由する場合はPHS経由先で設定するのではなく、接続先電話番号に1620*1234657のように直接経由設定番号を入力しないと接続できません。

また、この時に電話番号中に「-」(半角ハイフン)等を入れると正常に通信できません。(当初これがわからず接続できないんじゃないかと考えていました)

これはNTTパーソナルのPTEとアステルのPTEの接続仕様の違いだということです。

パワーザウルスでPIAFSを使ってインターネットアクセスやNIFTY等のパソコン通信をする上で特に問題は生じていません。

パソコンを使って通信する上でも同様だと思うのですが、FAXの送受信時にどうなるかは実験していないのでわかりません。

なお、注意点としてアステルのデータ通信カード(XN-型番)はパワザウに差しても認識できないので利用できません。(動作確認状況はこちら

この場合はNTTパーソナル用のデータ通信カードを利用することになりますが、こちらも使えるカードに若干制限がありますので、こちらを参考にカードを入手してください。


◆DDIとのキャリア変更

NTTパーソナルとアステルは端末の互換性も高く(同じメーカーがそれぞれOEMしています)キャリア変更に関するリスクも少なくて済みます。

ところがDDIは独自規格の端末となっており、特にデータ通信を行う場合データ通信用のコネクタがNTTパ/アステルと異なります。

それ故、ザウルス用PIAFSインタフェースCE-PA1を利用した通信はできません。

また、DDI用のデータ通信カードもパワザウで使えないようです。(DDI用通信カードを作っているセイコーインスツルメンツのページ http://www.sii.co.jp/js/mc-home/mc-home.htm で最新状況をチェックしてみたのですが、やはりパワザウでは利用できないようです)
98/06/08補足

MC6530はMI-610は標準で、MI-506はMOREソフトによるドライバをインストールすることで利用できるようになりました。http://www.sii.co.jp/js/mc-home/mc-home.htm

以前NTTパーソナルの機種をDDIにキャリア変更したという情報も見たことがあるのですが、元ネタのリンクが不明です。(fj.sys.zaurusなのか、NIFTYのFENOTEあたりだったと思うのですが)

キャリア変更後は少なくともPIAFS通信は成功しているようなので、すでにDDIと契約済みで電話番号を換えたくないという場合にはどこかでNTTパーソナルやアステル端末を調達してキャリア変更をしてみてください。

たぶん、αデータ通信関連はできないという覚悟は必要だと思います。(PIAFSが利用できればデータ通信で困ることはないのですが、α通信にもそれなりのメリットがあるので思案のしどころです)

私の場合、なぜかDDIとは縁がないため残念ながらこの手の実験ができていません(^_^;