ザウルスは日本人のための電子手帳
「モバイル」という言葉がはやっていますが、この言葉がはやり出す前からザウルスは「液晶ペンコム」などというネーミングの電子手帳として多くのユーザーに愛用されています。
液晶ペンコムという言葉全然定着しませんでしたが「ザウルス」は電子手帳の代名詞となりました。
電子手帳→PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)→モバイル機器とネーミングは進化しましたが、その内容は電子手帳+α的なものです。
ザウルスの最大の特徴は「日本人のための電子手帳」です。
ザウルス以前の電子手帳時代から培われてきた日本語処理のノウハウがザウルスに結集し誰でも簡単に使える手書き文字入力機能を最大の特徴とし、OSレベルでの日本語処理が可能、特に最近の機種ではLCフォントという液晶画面での視認性を高めたフォントを採用したことで小さな画面上でも読みやすいテキスト表示を実現しています。
また、これ以外に「すぐに使える」「単体でも使える」「ハングアップしにくい」「いつ電源を切っても良い」「インターネットに簡単接続」「MOREソフトによる拡張性」という点が上げられます。
すぐに使える
アドレス帳/スケジュールといった基本機能を始めインターネット接続/Webの閲覧(ブラウザ)/メール送受信機能、さらにワープロ機能などが標準で搭載されており面倒なソフトのインストール作業無しに購入後即利用することができます。(一部機種ではワープロは非搭載)
また、日本語入力機能は手書きした文字を認識して活字に変換する機能がありマニュアルを少し読めば即使い始めることができます。
単体でも使える
本体内フラッシュメモリ/外部フラッシュメモリカードにデータを保存するため万一電池切れ等の事態になっても入力したデータが保持されることを言います。
電池切れたらデータも消失ということはありません。
ノートPCを除きザウルス以外のモバイル機器は何らかの形でパソコンに依存しますが、ザウルスの場合はパソコンが無くてもなんとか単体での利用が可能です。(パソコンとの連携ができるに越したことは無い)
ハングアップしにくい
パソコン利用者なら経験があると思うのですが、何か作業をしていると突然キー入力を受け付けなくなり入力途中のデータが失われるなどの現象に直面することがあるでしょう?
ザウルスの場合はこういった障害がパソコンに比べて遙かに少なく再起動などの措置をとる事はほとんどありません。
日常の道具なのだから安定性が一番重要です。
いつ電源を切っても良い
これもパソコン利用者ならわかるはず。 例えば急に電源を切る必要が生じた場合、作成途中のデータを全て保存してから手順に従って電源を切る必要があります。 無理に切るとデータが壊れたりして起動できなくなる障害もあります。
それに対しザウルスはほとんどの機能でデータの入力途中でも電源を切ることができ、次に電源を入れた時に続けて入力することができます。
このメリットは特にメール作成中に発揮されます。
ノートPCではリジューム機能などでこのようなことを実現していますが、バッテリーの消耗が激しく長時間の待機状態は難しいでしょう。
ザウルスは電源オフ時にはほとんど電力を消費しないため週間単位での待機状態が可能です。
インターネットに簡単接続
はザウルスの場合既にインターネット接続機能が標準機能として搭載されており、接続/ブラウズ/メール送受信が簡単にできます。
また、本体にモデムを内蔵している機種の場合はそれだけでインターネット接続も可能です。
通信経路も内蔵モデム、カードモデム、携帯電話、PHS(NTT,ASTEL,DDI-P)、赤外線通信(ICカード公衆電話)と多彩です。
この機能なくしてもばりぶは成り立ちません。
MOREソフトによる拡張性
従来ザウルスの弱点と言われていたメーカーのお仕着せ機能しか使えないという問題点を解決しつつあります。
ザウルスで読書するためのソフトは全てザウルスユーザーが作ったMOREソフトです。
表計算、ワープロ、エディタといったよく使われる機能からゲーム類、辞書、ファイル圧縮ソフト、ツール類、ザウルス単体でホームページを作ることのできるFTPクライアント/HTMLエディタなど幅広いジャンルのソフトが次々と作られています。
ユーザーが必要とされるソフトが次々に作られている状況です。
ザウルスだけで使い始め、その後MOREソフトで機能拡張、パソコンと組み合わせてさらに便利にと発展性があるのがザウルスです。
■読書用としてのお勧め機種は?
ザウルスの場合モノクロ機種とカラー機種に別れ、ザウルスというネーミングではありませんが、メール端末のコミニュケーションパルとブラウザボードもザウルス系としてほぼ同様の機能があります。
読書する場合のポイントは見やすい画面と表示用のフォントです。
・お勧め機種
読書という目的に限ればカラー画面は必要ありません。
小型で軽量、電池も長持ちするということで「アイゲッティ」がお勧めです。 アイゲッティには標準モデルとビジネスモデルがありますが、メモリの多さと辞書機能が標準で搭載されているという点でビジネスモデルがお勧めです。 ただし、デザイン重視なら標準モデルの方が良いかも。
ザウルスに対するこだわりが無いならブラウザボードがお勧めです。
一部ショップで非常に安価に販売されています。カラー機種を検討するならMI-C1がお勧めです。
ただし、ライト類が無い点は使う場所の制限となるためどこで使うことが多いのかを検討したほうが良いでしょう。
・中古という選択肢もあります
読書だけに限定するのであればMI-106/110といった機種もありあます。
アイゲッティの最安値が2万円程度なので1万円台前半で購入できるなら一つの選択肢となります。
■現在入手可能なザウルス系PDA
注:下記表の価格目安は「最安値」です。 一般的な販売店では標準価格の3割引程度です。
外観 | 画面 | 読書適応度 | 特徴 | 内蔵モデム | 携帯 | PHS | cdmaOne | その他 | メモリ | メモリカード | 価格目安 (オンラインショップの最安値です) |
コミュニケーション パル MT-200 |
モノクロ LCフォント |
★★ メモリ不足気味です もしNTT系の携帯/PHSユーザーでブラウザボードのデザインと色に満足できるならそちらをお勧めします。 |
ザウルスの機能のうちインターネットとメール周りのものを中心に搭載、アドレス帳やスケジュール機能、MOREソフト実行機能を手堅く搭載しています。 SモデルからSSL対応になりました。 画面の反射がかなりあるためちょっと見にくい部分があるのと、立て持ちがしにくい点が読書上の難点です。 |
なし |
NTTを初めとした各社のものが利用可能 | 利用不可 | 利用不可 | 1.45MB メールなどとも共用するためすぐに不足気味となります。
|
外部メモリカード等は使えません。 | 標準価格 38,800円 最安値 |
|
MT-300-S | モノクロ LCフォント |
NTTを初めとした各社のものが利用可能 | NTT ASTEL DDI-P |
利用不可 | PHSを利用するためには別途ケーブルを購入 | 標準価格 38,800円 20,000円 |
|||||
MT-300-C |
モノクロ LCフォント |
cdmaOne以外は利用不可 | NTT ASTEL DDI-P |
14.4Kbpsの回線交換のみ対応 PacektOne対応未定 |
PHSを利用するためには別途ケーブルを購入 | 標準価格 38,800円 23,000円 |
|||||
ブラウザボード (NTTドコモ) |
モノクロ LCフォント
|
★★★★ メール機能を重視するならザウルスよりもこちらをお勧めします。 |
NTTドコモの携帯電話やPHSに最適化されたコミニュケーションパル相当機種です。 メモリがコミパルの倍(約3MB)あるのが一番のポイントです。 画面がつや消し処理されているため読書にはプラスです。 |
なし | NTTを始めとした各社のものが利用可能 ただしmopera等NTTに依存したメニューがあるため少々使いにくい |
NTT ASTEL DDI-Pは不可 |
利用不可 | 携帯/PHSともケーブル別売なので購入時に一緒に調達する必要があります。 | 3MB | 外部メモリカード等は使えません。 | 標準価格 ? ケーブル込み13,000円 |
アイゲッティ MI-P1-W(白) MI-P1-A(青) カラーバリエーション MI-P1-LA MI-P1-LP MI-P1-LY MI-P1-D MI-P1-V |
モノクロ LCフォント |
★★★★★ 読書するならこれが一番 縦横自由に使える他、スクロールボタンでページ送りもできます |
2000/02/01現在ザウルスシリーズ最小最軽量の機種です。 胸ポケットの中でも邪魔にならないサイズです。 「ザウルス」として考えると辞書機能やレポート、インクワープロが無いなどちょっと物足りない部分がありますが、フリーのものや別売のMOREソフトで補うことができます。 |
なし CFサイズカードモデム利用可能 |
NTTを始めとした各社のものが利用可能 | NTT ASTEL DDI-P |
利用不可 | IC公衆電話、赤外線ISDN公衆電話に対応しています | 3MB ザウルスとして考えるとやや少な目です。 |
コンパクトフラッシュメモリカードが利用可能 | 2万円程度 携帯電話/PHS用のケーブルはそれぞれ3,000円程度 |
アイゲッティ MI-P2B |
モノクロ LCフォント |
★★★★★ こちらはメモリが多いためさらに読書向け ただし色は黒だけ |
アイゲッティのビジネスモデルです。 蓋が付いたこととメモリが増えたこと辞書が標準搭載になっています。 |
同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 7MB 容量的には十分です |
同上 | 3万円程度 オプション類は同上 |
カラーポケット (MI-310) |
カラー (フロントライト付き反射型液晶) 明朝体フォント |
★★★ 読書にカラー画面は必要無いかも 画面がやや見にくいのが難点 |
カラー画面を持つザウルスシリーズ中、電池の利用できる唯一の機種です。 モデムも内蔵されており携帯/PHSケーブルも安価に購入できるためどこでも読書には適しています。 ライトをつけた場合に電池消耗が早くなります。 |
内蔵 | NTTを始めとした各社のものが利用可能 | NTT ASTEL DDI-Pには対応していません |
利用不可 | IC公衆電話、赤外線ISDN公衆電話に対応しています | 7MB | コンパクトフラッシュメモリカードが利用可能 | 既にオンラインショップのリストから外れています |
パワーザウルス (MI-610) |
(TFTバックライト液晶) 明朝体フォント |
★★★ 読書用途としては過剰装備気味の機能 サイズも大きい |
MIシリーズの基本です。 PDAとして必要十分な機能をもちますが、ボディーが大きく重いためポケットの中に常時入れておくと言うわけには行きません。 バックライト液晶なので暗い所での読書に問題はありません。 |
内蔵 | NTTを始めとした各社のものが利用可能 アダプタが高価(実売15,000円)が難点 |
NTT ASTEL DDI-Pには対応していません アダプタが高価(実売15,000円)が難点 |
利用不可 | IC公衆電話、赤外線ISDN公衆電話に対応しています | 7MB | PCMCIA TYPE2に対応したメモリカード類が利用可能 ATAフラッシュメモリ、CF、スマートメディア、メモリスティックの実績あり |
既にオンラインショップのリストから外れています |
新パワーザウルス (MI-C1) |
カラー (反射型液晶/ライト類非搭載) LCフォント |
★★★★ 読書にカラーは必要ないいかも アイゲッティ並に小型軽量な点が読書向き |
2000/02/05時点での最新機種です。 必要な機能を手堅く押さえています。 ライト類無しの反射型液晶のため本が読めないほどの暗い場所では画面が見えません。 |
CFサイズカードモデム利用可能 | NTTを始めとした各社のものが利用可能 | NTT ASTEL DDI-P |
14.4Kbpsの回線交換のみ対応 PacektOne対応未定 |
IC公衆電話、赤外線ISDN公衆電話に対応しています | 7MB | コンパクトフラッシュメモリカードが利用可能 | 標準価格 88,800円 最安値 |
アイクルーズ (MI-EX1) |
カラー (TFTバックライト液晶) 640x480ドット LCフォント |
★★ 読書にカラーは必要ないかも 画面が高精細なため1画面に大量の文字表示可能 |
ザウルスとして購入すると間違いなく不満続出ですが、インターネットアクセスに限って使えば不満は少ないでしょう。 画面は綺麗です。 |
内蔵 | NTTを始めとした各社のものが利用可能 | NTT ASTEL DDI-P |
14.4Kbpsの回線交換のみ対応 PacektOne対応未定 |
IC公衆電話、赤外線ISDN公衆電話に対応しています | 15MB | PCMCIA TYPE2に対応したメモリカード類が利用可能 ATAフラッシュメモリ、CF、スマートメディア、メモリスティックの実績あり |
標準価格 160,000円 最安値 |