■モバイルコンピューティングを担うPDA
ビジネスショウで目立ったテーマは「モバイルコンピューティング」です。
SOHO時代を迎え、PIMはもちろんWWWブラウザやメールシステムを最低限の機能として搭載しており、どこでもE−コミュニケーションがとれるツールとしてPDAが注目されつつあります。
傾向としてはPHSや携帯電話など通信手段を内蔵した一体型PDAの展示が数多くあり、これまでのPDA+モデム/データ通信カード+公衆電話/携帯電話のようにケーブル接続を必要しない環境が整いつつあるようです。
その一方で赤外線インタフェース付き公衆電話などのモバイル対応型通信環境も整いつつあり、消費電力は大きいが一体型の運用上の利便性を取るか、モデムや通信機能を外付けとしてPDAとしての長時間運用を重視するかの運用から見た機器選択が必要になります。
■カシオ
カシオのブースではカシオペア業務用が展示されていましたが、こちらはモノクロのWindows CE2.0搭載マシンということでさほど新鮮みはありません。
ザウルスと似たコンセプトのカレイドも従来通りの仕様です。
あまり注目を集めていなかったのですがカシオペアE-10というパームPCの参考展示がありました。
これはWindows CEをより軽量にしたWindowsベースのOSを搭載した手書き認識機能を持つPDAで、US Roboticsのパームパイロットに対向した製品です。
Windows的な画面とアプリケーションが搭載されており、専用クレードルによるパソコンとのシームレスなデータ連携をめざしたPDAとなるようですが、まだOSが正式には完成しておらず価格、日本語化の時期など未知数です。
試作器の操作をしてみましたが、アプリケーションの起動、機能の切り替え等はさほど待たされることなく利用することができました。
このジャンルはパームパイロット(パイロットの名称が使えないのでパーム3)が先行しておりそのシェアを狙った二番煎じ的なPDAなのでどのように普及するかは疑問です。
■データスコープ for ドコモ
京セラのデータスコープはPHSのDDIポケット用の電話機+プログラム可能なPDAという位置づけでしたが、通信部分をドコモのデジタル携帯電話のものに換装したのが「データスコープ for ドコモ」です。
NTTドコモが推進する10円メールアプリケーションが搭載されているのが特色です。
また、これまでのデータスコープと同様にPCMCIAのデータ通信カードとして利用することができ、NTTドコモの回線を利用したデータ通信が可能となっています。(この場合は他のデータ通信カードと同様に9600bpsまでの対応で現段階ではDoPaサービスに対応していません)
価格的にはDDI対応のデータスコープとほぼ同等になるとのことで2万円程度で購入可能だと思われます。
■ピーターパン
ピーターパンはNTTドコモのデジタル携帯電話内蔵型PDAです。
PIM機能+インターネットアクセス機能を持ちWWWブラウザやメール送受信を行うことできます。
こういった形式のPDAには東芝のジェニオ、松下のピノキオなどがありますが、ピーターパンは電話機としての機能よりPDAとしての機能に重点を置き大きな画面を搭載しています。
この形を見ると松下の業務用PDAがベースになっているような気がします。
■インターネットパルディオ
こちらはNTTパーソナルのPHS内蔵型PDAで、特筆すべき点はイヤホンマイクが巻き取り式で内蔵されているという点です。
上記のデータスコープや東芝のジェニオ、松下のピノキオも同コンセプトのPDAですが、これらは受話器に液晶画面が組み込まれているため通話中に液晶画面を見る/操作することが困難でメモを取りながら通話するという運用がしにくいものでした。
これらのPDAでもイヤホンマイクを使えば画面を見ながら通話できますが、イヤホンマイクの接続や管理は結構面倒なものです。
インターネットパルディオは巻き取り型イヤホンマイクでこの問題を解決し使い易いPDAに仕上げています。
NTTパーソナルは間もなくNTTドコモに吸収されるため今後インターネットパルディオがどのような方向で発売されるのかは未知数ですが、NTTパーソナルが提供しているインターネットメールサービスを手軽に利用できる端末としての普及が期待されます。
インターネットパルディオ イヤホンマイクを引き出した状態 |
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蓋を開いた状態 液晶画面はかなり見やすいものとなっています。(ザウルスポケットベースなのかな?) ペンは蓋の裏側に付いています。 |
■おまけ
携帯型テレビ電話付きPDAです。 こういうことが必要となる時代が来るのでしょうか(^^? |