■透明な上に透明な樹脂を重ねる
クリスタルの名前の通り透明感のある作品が特色の林氏のアートですが、そのポイントとなる樹脂の塗り重ねは目の前で見て初めてわかる難しさがあります。
樹脂は自然に流れ出すか出さないか微妙な硬度の状態で塗られるため、多く塗りすぎれば垂れてしまうし、薄くては伸びが弱いため波打った状態になります。
樹脂の表面張力で自然になめらかになるとはいえ、塗り重ねる際には透明なものの上に透明なものを塗る難しさがあり、何度も確認することが必要となります。
状態を確認する 樹脂を塗り重ねる際には表面の状態を何度も確認して塗りムラや気泡が無いようにしていきます。 箔や螺鈿は一つの層に全てのせるでは無く塗り重ねる途中で複数の層に分けることで奥行きが生まれます。 |
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ドライヤーを使う 暖めることで多少樹脂の流動性が高くなり塗りムラが経るとか。 |
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エッジ部分が難しい ザウポケの場合はまだ良いのですが、局面の多い機器の場合、エッジ部分が流れやすく塗りには細心の注意が必要です。 |
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魂を入れる ある程度作品が仕上がった時点で「落款」を押します。 作品サイズによって落款の種類が変わり、ザウルスクラスでは「UFO」の落款となります。(裕峰 = UFO) 元画像が悪いのでわかりにくいのですが UFOと入ってます。 |
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箔などを載せる前 | |
箔や螺鈿を載せた完成品 デジカメの画像じゃ作品の出来映えを現せないのですが、見る角度により景色が変わり透明な樹脂の中に浮かぶ金箔や螺鈿が美しい層を成しています。 「手のひらに乗る日本の美」の完成です。 |
■完成までの所要時間
今回は複数の機器に一緒に描いて頂いたため、所要時間の目安とはなりにくいのですが、描いてもらうイメージを掴むために過去の作品例を見たり、素材などの説明を聞いたりする時間が1時間ぐらい、その後ベースとなる部分の描画に1時間ぐらい、樹脂の塗り重ねと箔や螺鈿を載せる作業が1時間半ぐらいでしょうか。
その間に林氏とあれこれ話したり「鍵」に自分でアートしてみたりと、楽しいことが多いのであっという間に時間が過ぎていきます。