■ザウルスだけでは困る事もある

一昔前はダイナブックを持って営業していたこともあるのですが、ここ数年は屋内ではデスクトップPC、出先ではザウルスという運用パターンで暮らしてきましたが、ホームページの会議室更新や展示会速報を行おうとした場合パワーザウルスを持ってしても能力不足を感じます。

MOREソフトのFTPクライアントが提供されたため、ホームページ更新については「できないことはない」状態で快適というわけには行きません。

また、パワザウ(MI-610)はホームページ上のテキスト入力時に携帯キーボードを使った場合にスクロールができないというバグがあり、会議室メンテナンスに重大な支障をきたしています。

メール程度ならパワザウで十分満足できますが、ホームページメンテナンスまで考えるとワンランク上の情報機器が必要になります。

■実用的速度のWindows CE機

ここしばらくWindows CE機をまじめにチェックしていなかったのですが、今回のExpoでは各メーカーのCE機をじっくりとチェックしました。

以前パワザウ等と比較したときはCE機は処理速度面で大きく劣っており実用的じゃないと思っていたのですが、最新のCE機はプログラムの起動、文字入力の快適さは実用的になんら問題の無いレベルであることが確認できました。

価格的にもMI-610程度でPCとの通信用ケーブルやクレードルまで同梱されるなどコストパフォーマンスを比較するとCE機の方が上回ります。

CE機で問題があるとすればサイズ的なものとディスプレイがカラーの場合は256色STN液晶であり、パワザウの65000色TFT液晶に見劣りするという点ですが、PIMやWebアクセス、メール送受信などを行う場合のハンデとはなりません。

また、キーボード入力を考えるとパワザウ用のCE-KB1はキートップサイズが小さいため入力が快適とは言い難く、キーボードだけではスクロールができなかったり、モード切替ができないなどの問題がありますが、CE機はキーボード利用が前提でありキートップサイズもブラインドタッチができる程度のものがあります。(機種によってはパワザウ並のものがありますが)


CE機の場合でもFTPクライアントやHTMLエディタという部分ではノートPC程の選択肢がないため若干面倒な手順を踏む必要が生じますが、パワザウオンリーの場合よりは快適な処理ができそうです。


■HP 620LX

HP200LXユーザーがパワザウ等に対して優越感を感じるのは1ヶ月カレンダにスケジュールが表示されれるという点でしょう。

MIシリーズをもってしてもザウルスシリーズでは1ヶ月カレンダ上には記号しか表示できません。

キーボードも見た目よりは入力しやすいものとなっています。

難点は通信機能で、モデムカードを別途用意しないとインターネット接続などができません。

lx620-1.jpg (26925 バイト) HP620LX

 標準小売価格 140,000円
 CPU SH3 75MHz
 メモリ ROM 16MB RAM 16MB
 640x240 256色STN液晶
 PCMCIA TYPE2スロット1
 コンパクトフラッシュスロット1
 リチウムイオン充電池
 重量586g
 サイズ 198x104x36mm
 録音機能
 クレードル付属

lx620-2.jpg (19905 バイト) Month-at-a-Glance Plus

他のCE機には搭載されていない機能です。

1ヶ月カレンダ上にスケジュールを表示することができます。


■日立 PERSONA(ペルソナ)

こちらはCE機としては大柄ですが、画面サイズも大きく(8.1インチ)、キーボードもしっかりとしたもの(キーピッチ16.5mm、ストローク2.5mm)が搭載されています。

CPUに関してもSH3 100MHzとCE機の中では最高レベルのものを搭載しています。

サイズ的に考えるとリブレットやSONYのVAIO C1に近いので携帯時のメリットは少ないのですが、機能的に満足できるのであれば価格面でのメリットはあります。

通信を多用する場合はソフトモデムによる33.6Kbps通信、PIAFSやPDC用ケーブルだけで通信できるなどのメリットがあります。

hitachi1.jpg (22770 バイト) ペルソナ

 標準小売価格 138,000円
 CPU SH3 100MHz
 メモリ ROM 16MB
 RAM 16MB(最大32MB)
 640x240 256色STN液晶(8.1)
 PCMCIA TYPE2スロット1
 コンパクトフラッシュスロット1
 ソフトモデム(33.6K,PIAFS,PDC対応)
 リチウムイオン充電池
 重量820g
 サイズ 253x131x32mm
 録音機能

hitachi2.jpg (23877 バイト) キーボード

ここだけ見るとCE機ではなくサブノートPCクラスのようです。


■COMPAQ 2010C

2010cはこれと言った特色の無いCE機です。

企業などのネットワークに接続する場合はActiveSyncという管理ソフトを使った高度なセキュリティ機能を有するデータ管理が実現できますが、スタンドアローンではあまり意味がありません(^^;

サイズ的には小さいのですが、最小という分けでもなく、処理速度も平均的なもの(若干物足りなさを感じる)です。

また、ニッケル水素充電池では連続運用時間4時間とモバイルするには不足気味でしょう。

compaq1.jpg (21917 バイト) 2010C

  標準小売価格 オープン
 CPU MIPS R3900 75MHz
 メモリ ROM 20MB
 RAM 16MB(最大32MB)
 640x240 256色STN液晶(6.5)
 PCMCIA TYPE2スロット1
 コンパクトフラッシュスロット1
 ソフトモデム(33.6K)
 ニッケル水素充電池
 重量540g
 サイズ 186x100x41mm
 録音機能

compaq2.jpg (22855 バイト) キーボード部

丸形キートップは実際に入力してみるとまずまずのキータッチで入力できます。

compaq3.jpg (19503 バイト) 実用的なクレードル

国産CE機は通信機能一本槍のクレードルですが、HP620LXや2010Cではペン立てのついた使いやすさ重視のクレードルが付属します。

ただし、サイズ的には大きめなので狭い日本の机のうえではじゃまなのかも(^^;


サイズ的に見ると幅や奥行きに関してはパワザウ+デジカメサイズですが、厚みが40mm近くあるというのが気になるところです。

ノートPCを見ると薄型液晶ディスプレイ搭載の傾向があるので次世代機ではさらに薄くなるものと思われます。

ホームページのメンテナンスを前提に考えるとCE機で必要十分なのですが、パソコン上で利用しているFrontPageが使えないことを考慮すると一気にVAIO C1などのサブノートPCを購入した方が良いのかもしれません(^^?