■電池切れればタダの箱
モバイルの大敵は電池切れです。
PC World Expoの取材に東京まで出かけた時にパワザウの予備バッテリとACアダプタは持っていったのですが、PHSの充電器は持っていきませんでした。
データ通信する場合321Sは満充電で5時間程度なら問題なく通信できるため電池切れにならないだろうとの想定でしたが、東京での滞在時間が伸びたためデータ通信や通話などに多用した結果電池切れになってしまいました。
インターネットアクセスやメールアクセスは全てPHS経由(NTTパーソナルのデータレートF5契約)でおこなっていたため、電池切れになるとISDN公衆電話等を経由した通信に頼らざるを得なくなります。
ISDN公衆も通信安定度という面では安心できるのですが、接続までのネゴシエーションが長く(アナログモデムの場合)、PHS(PIAFS)の快適さには及びません。
PIAFSの魅力は歩きながらインターネットとかどこでもインターネットが利用できる点にあります。
さて、困ったなと思ってあれこれ考えていると321SにはパソコンのPCMCIAスロット経由で充電できる機能が有ることを思い出し、パワザウでもできないかと試してみたところちょっとした工夫で充電できることがわかりました。
PHS側の設定 PC充電機能を有効にします。 有効になるとデータ通信カード経由でパソコンなどのPCMCIAスロットに供給されている電源から充電が開始されます。 パワザウ等でこの設定のまま使うと本体バッテリを消耗するので通常は「OFF」にしておくことになっています。(確かパワザウ等のマニュアルにも書いてあります) |
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321Sをパワザウに刺す 321Sの状態を観察するとわかるのですが、刺して電源を入れるとカード認識のためにしばらくの間PCMCIAスロットに電源が供給されるため321SのPC充電マークが表示されます。 しかし、認識が終わるとPC充電マークは消えてしまいます。 |
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PC充電マーク PCMCIAスロット経由で充電が行われる時に表示されます。 |
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パワザウ側の設定 裏技ターミナルモードを利用して常時通信状態にできるようにします。 ポイントは電話番号の全角アスタリスク5個です。 |
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接続 接続先をターミナルモード用電話番号に指定して使用モデムをカードにします。 接続ボタンにタッチします。 |
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ターミナルモード実行中 画面に何も表示されませんが、通信状態となっておりパワザウのPCMCIAスロットに電源が供給されています。 この画面でATコマンドなどを入力して通信することもできます。 |
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充電中表示 充電というよりは電源供給されている場合に表示されるようで、充電完了したと思われる状態でも表示され続けます。 充電時間は正確に計測していませんが、321S側が「電池ありません」状態から満充電になるまで6時間程度でした。(寝る前に充電開始して起きたら満充電だった(^^; ) |
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バックライト設定 通信状態になっている場合、パワザウのオートパワーオフ機能は有効になりません。 画面表示されっぱなしになるため、バックライトに負担がかかりますので、インデックスメニューにある設定のバックライトの項目を最小にしておくと良いでしょう。 |
■注意点
PCMCIAスロット経由の充電時にはパワザウ側に必ずACアダプタを接続します。
接続しないとパワザウのバッテリからPCMCIAスロットに電力を供給するため、バッテリを消耗し尽くします。(消耗してもしばらく充電すれば問題なく使えますが(^^; )
同様に充電が完了したら必ず321S側のPC充電機能をOFFにして下さい。
充電中の温度変化を見てみましたが、ほんのりと暖かい程度でした。(通信状態よりも低い温度)
もし、熱いと感じるような状態になる場合は何らかの問題があると思われるので充電を調査した方が良いでしょう。
バックライトを点けっぱなし状態にするためバックライト寿命に多少影響があるのと可能性としてですが、液晶が焼き付くという問題があります。
液晶の焼き付きはパソコンのモニタと同様に同じ画面を表示し続けることによりその痕跡が画面に残ってしまうというもので、バックライトに含まれる微量の紫外線が液晶のカラーフィルタを劣化させることに起因します。
よほど長期間同じ画面を表示刺せ続けない限りあまり問題ないと思いますが、注意点として挙げておきます。
■謎の部分
PC充電機能をONにしたまま通信をすると321Sのディスプレイ上には電話番号や時間が表示され充電マークは表示されません。
この時もPCMCIAスロット経由の充電が行われているかは謎です。
■役立ち度
長期的な出張などの場合321Sの充電器を持っていく必要が無いのが一番のメリットです。
341S/611Sでも同様のことができるともいます。