■ほとんどのアプリケーションはWindows95/98用
パワーザウルスやザウルスポケットに付属しているザウルスパワーコネクション、パワーリンク for Outlook97、プロアトラス for パワーザウルスや別売のPowerPIMM3.0などは全てWindows 95上での実行が前提条件となっており、Windows NT4.0に関しては公式には何も言及されてません。(明示的に使えないという情報もありません)
なんでもQ&Aでも時々質問に上がっているこれらアプリケーションをWindows NT4.0にインストールした場合どのような状況になるかを検証してみました。
◎インストール環境
Windows NT4.0 WorkStation + サービスパック6 + IE5.0(アクティブデスクトップ:ただしWebページとしての表示はしていません) + Windows NT Option Pack
アプリケーション名 | インストール | 動作 | 異常動作 |
ザウルスパワーコネクション ・パワザウ/ザウポケ内のインクワープロ、レポート、ワープロ、フォトメモリ、ボイスメモ、表計算、インターネットライブラリ、メール、メールアドレス、MOREソフト、パソコンデータ(JPEG,GIF,テキスト,WAV,AU,SCV)、スライドショーなど(一部機種には対応していない機能あり) ・全データバックアップ |
成功 | 時々explora.exeのエラー(例外)が発生するが、正常時は各機能の通信に問題なし。 バックアップも問題なし。 |
エクスプローラのエラーが発生するとパワーリンクの一部機能が残り(裏タスク)通信できない状態となる。 エクスプローラがエラーとなるのはIE4.0でNT エクスプローラが置き換わるため? Win98β3でも同じようなエラーが発生する。 |
ザウルスパワーリンク for Outlook97 ・Outlookの各データとシンクロ |
成功 Outlook97への組み込みも成功 |
相互のシンクロとも異常なし。 | 未発見 |
ザウルスパワーリンク for Access97 ・パーソナルデータベースとAccess97との間でデータ交換 |
成功 Outlook97への組み込みも成功 |
通信に問題無し。 | パーソナルデータベースに画像データが含まれていた場合、Access側で画像変換に失敗して取り込めない。 |
Pro Atlas97 for パワーザウルス(MI-610専用) ・Pro Atlas97から地図ビューアへデータ転送 |
成功 | 通信に問題無し。 データに問題無し。 |
未発見 |
MOREソフトダウンローダ(各MOREソフトに付属) ・各種MOREソフトの転送 |
成功 | ダウンロードが正常にできる。 | 未発見 NT4.0の制限から光通信は不可 |
ザウルスクリップ ・画像、テキストデータを簡単に転送 |
成功 | 各機能のデータは正常に転送できる。 | 未発見 |
PowerPIMM 3.51(体験版) ・ザウルスのスケジュール、アドレス帳、アクションリストとのシンクロ ・画像データの送受信 ・全データバックアップ |
成功 | 利用不可能 | シンクロでザウルス側に5004エラー発生。 バックアップ時に正常終了できない場合がある。 WindowsNTのレスポンスが極端に悪くなる。 |
■Windows NT4.0における問題点
・PowerPIMM
これをインストールして実行するとNTのレスポンスが極端に悪くなります。(CPU使用率も常時100%に張り付きます)
また、通信動作中にメモリ使用量が異常に増えメモリ不足が発生する事態を招きます。(私の環境では200MB程メモリ割り当てをしてあり通常この不足は発生しません)
データ通信に関してもPowerPIMMリンクによるシンクロ中にパワザウ側でエラーコード5004が発生し通信エラーになります。
よって、PowerPIMM3.0はWindows NT4.0上での利用はできないと考えるべきでしょう。
・ザウルスパワーリンク for Access97
当初問題無しと考えていたのですが、パーソナルデータベース側に画像が含まれていると変換に失敗します。
ただし、Windows95環境で取り込んだデータをWindowsNT上で処理することは可能で、WinNT環境からザウルスにデータを送信することも可能でした。
原因がよくわからないのですが、ザウルスの画像を変換する際のAPIまたはDLLに問題があるようです。
・ザウルスパワーコネクションの問題
こちらに関しては上手く動作する場合もあればエクスプローラの例外エラーでエクスプローラが終了してしまうという問題が発生する場合があります。
必ず発生するわけではありませんが、このエラーが発生するとパワーリンクを構成するプロセスの一部が動作したままの状態となりWidows NTのレスポンスの悪化と通信ポートの占有状態を招きます。
これにより再度ザウルスパワーコネクションを実行しても通信が正常にできません。
また、エクスプローラが落ちるとタスクトレイも初期化され本来表示されるべき物が表示されません。
この原因に関しての根本はわかりませんが、IE4.01をインストールした場合のデスクトップ環境の違いに由来するのではないかと推測しています。
ただ、これが原因ならWindows 95でも同様の問題が発生するはずなのですが、こちらでは発生しないようです。
しかし、Windwows 98 Beta3上で実行した場合はNTと同じようにエクスプローラが例外エラーを起こすことがあります。
挙動を見ているとパワーコネクションの常駐部分がロードされる時にエクスプローラのエラーが引き起こされるようです。
使えないことはないけど信頼性に欠けるというのが結論になります。(エラーさえでなければその他の問題は生じません)
■Windows NT4.0で動かないのは問題では?
「ビジネス」用パソコンを考えた場合Windows 95ではなくWindows NT4.0がインストールされている割合も結構高いと思います。
ネットワーク機能やセキュリティ面でNTの方が安定しており複数のアプリケーションを同時に利用する場合でもWin95よりは安定性が高いなどメリットは多いので私も愛用しているのですが、この上で動作しないとなると結構困る面もでてきます。
各アプリケーションのメーカーには最低限WinNT上でエラーにならないようにプログラムを改善してほしいものです。