このデータは、カラーザウルス->パソコンへのデータ転送に関してのものです。

■PC本体  

AT互換  CPU 486DX 100 メモリ40MB
シリアルポート  16550A互換高速シリアルポート Max 115,200bps
シリアルポート設定 FIFOバッファを送受とも最高に設定。
PCの速度的な問題が通信上のボトルネックにならないようにしたつもりです。

■通信デバイス

CE-150TS  オプションポート15用レベルコンバータ
CE-IR2   ASK 用光通信インタフェース
CE-IR5   IrDA用光通信インタフェース(ASKモードによる光通信 も可)

■Win95 赤外線通信ドライバからの情報

115.2kbps で通信「優」(必要十分な速度が得られるという意味です)

■ベンチマークテストに使ったファイル

フォトメモリー上のファイル 12本
ザウルスコネクションのチェックで表示されるサイズは約266KB

■テスト方法

それぞれの方式で5回づつ転送して平均を算出
ただし、ASK のみ28KBのファイル1本を5回転送して平均を算出(※1)
計時は手動  

前処理 ザウルスコネクション側で受信を開始し、カラーザウルスから読み込 むファイルの本数とサイズを取得するまでの時間
本体転送  実際のファイルを読み込む時間
後処理 実際のファイルを読み込んだ後にザウルスと通信している時間

単位:秒 転送レートは266,000 / 本体転送時間(単位:バイト/秒)

方式(転送bps) 前処理 本体転送 後処理 合計 転送レート 効率
ASK(9,600) 18 92 14 124 300 35%
OP15(19,200) 7 227 7 241 1,200 61%
OP15(38,400) 7 150 7 164 1,800 46%
IrDA(38,400) 7 127 30 164 2,094 44%
IrDA(115,200) 7 77 30 114 3,500 24%

※効率は、(実測転送レート/計算上の転送レート)で算出

転送レートの上限が、カラザウの処理速度によるものなのか、通信速度上の問題なのかを大まかに判断するための材料。

■転送レート変動要素

転送するファイルサイズや本数を変えた場合、転送レートは変動します。

これは、ファイル転送におけるオーバーヘッド(実際のファイル本体を転送する前に行うPC−ザウルス間のファイル名、ファイルサイズなどの情報交換に必要な余分な時間)がファイル本数が増えるに従い大きくなるためです。

大きなサイズのファイルを1本転送した方が転送レートは向上します。

■結果から

予想通り、BPS(ビット・パー・セカンド<ビット/秒>)の最も大きいIrDAが最速という結果が出ました。

計算上の転送レートは10,000バイト/秒近くなので 3,500バイト/秒はカラーザウルスの処理速度上の限界点なのだと思います。(この部分は微妙なのですが、IrDAプロトコルが半二重である点が多少影響しており、理論転送速度は10,000bpsをかなり下回ります)

IrDAで少々問題なのは、高速な割に後処理が長く、トータルの転送時間を伸ばす結果となっています。

転送が完了してからの待ち時間は実際の時間より長く感じます。

■(参考)カラザウ−PCにおけるIrDA通信のために必要なもの

  1. IrDAインタフェース

    CE-IR5または、パソコンに搭載されているIrDAインタフェース。
    (CE-IR5は電池不要で、コンパクトになりましたが制限も付きました:後述)

  2. マイクロソフト赤外線ドライバ

    Windows95 サービスパック1とともに配布されている、マイクロソフト赤外線通信ドライバ。
    赤外線通信ドライバそのものは、NIFTY でも GO SMSPOS としてライブラリを「SEA TT:赤外線」 とすれば見つかります。

  3. 対応アプリ

ザウルスコネクション
PowerPIMM
ザウルスクリップなど 

■CE-IR5における注意点

▲CE-IR5はDOS/V パソコン(PC-AT互換機)専用です。

この理由は不明ですが、上記ドライバのリリースおよび、シリアルポートを構成するLSI 仕様、電源の問題などが影響しているのかもしれません。

私としては確認していませんが、情報として、PC9821等のCOM2(高速通信対応ポート)とPC98シリーズ用のマイクロソフト赤外線通信ドライバであれば、PC−AT用の赤外線通信ドライバをインストールして使えるようになるとのことです。

また、ノートPCでも赤外線通信ドライバを適切にインストールすれば利用できるようになります。

▲シリアルポートを通じて電源を供給できるものでないと利用できません。

旧式のノートPCに供給できないものがあります。

▲115,200bpsの通信速度に対応するためには通称 16550互換という、高速シリアルポートが必要となります。

古いPCの場合、上限が19,200bpsまたは、9,600bpsに制限されます。

▲ASK モードへの切り替えが特殊なコマンド?を必要とします。

これは、マニュアルからの情報(ザウルスリンク等を利用する場合には専用のユーティリティがFZAURUS のライブラリで提供されていることと、DOS 版のダウンローダ(JSFREE1.EXE)やZauBASE 等で利用できないことからの判断です。

安易にASK も使える(PIシリーズで使える)インタフェースとして考えない方が無難です。

CE-IR5の購入に際しては、御自分のパソコン仕様を十分にご確認のうえ、購入われることをお勧めいたします。

■まとめ

実測して初めてIrDAが速いことに納得できました。

画像1枚が、20KB程度なので、1枚が約7秒で転送できる計算です。

これまでの光通信=遅い!! という考え方は捨てなければなりません。
 (相変わらずASK 9600は遅い!!)

オプションポート15に56,700bposの設定があればと考えますが、CE-150TSのハード上の制約なのかもしれません。(その後パワーザウルスでCE-150TSが115kbpsまで対応できることを確認)


■以外に簡単なIrDA通信対応プログラム

ASKモードによる光通信は特殊な光通信プロトコルを必要としており、プログラマが意識して通信部分を記述する必要がありましたが、IrDAの場合マイクロソフト赤外線通信ドライバ部分がシリアルポートエミュレータとして動作しプログラム(シリアルポートドライバ)上からは9線式のシリアルポートと同じものと認識されます。

そのためプログラム記述はオプションポート15経由のものとほぼ同じで良くプログラミングの付加は軽減されています。