■ザウルスの通常通信
ザウルスの通常通信は伝統的に電子手帳時代から続くもので、基本的には非同期無手順(データ8ビット、ストップ1ビット、ノンパリティ)の通信となります。
送受信されるデータ構造としてはCRを区切りとするCSV形式データですが、純粋なテキストデータだけでなく項目区切りを示す制御文字が含まれます。
・区切り文字
レポートなどの項目区切り | &H09 | TAB |
ザウルス内部改行コード | &H1F | |
1データ区切り | &H0D,&H0A | CR,LF |
データの終了 | &H1A | EOF |
・通常通信で送受信されるデータの例
"i","SCRT","NAME","NAPR","TEL1","FAX1","OFCE","OFPR","SCTN","PSTN","ZIPC","ADR1", "BRTH","RMRK","CHK1","CHK2","CHK3","CHK4","ASCT" |
"T","シークレット","個人名","個人名読み","電話番号","FAX番号","会社名","会社名読 み"," 所属","役職","郵便番号","住所","生年月日","備考","暑中見舞い","年賀状","お中元","お歳 暮"," 交際録" |
"D"," ","冨樫吉徳","とがしよしのり","03-1234-5678","03-1234-5678","株式会社 ライ フ・メディア・テクノロジー","らいふめであ",,"代表取締役","121","東京都足立区","19961008 ","MEM1:備考データ1行目.備考データ2行目..","○","×","△",,"MEM1:交際録 1行目.交際録2行目.." |
そのため、純テキスト通信を対象としたプログラムを組むと制御文字を落としてしまいデータの整合性がとれなくなる場合があります。
Visual Basic でマイクロソフトCOMコントロールを使う場合はbinaryモードで使う必要があります。
・ちょっとしたコツ
ザウルスから通常通信したデータははWindows付属のハイパーターミナルや一般的なパソコン通信ソフトで受信することができます。
受信したデータはCSV形式なのでExcelなどで表データとして利用することもできます。
逆にパソコンからザウルスに転送することもできるのですが、データの最後をザウルスに通知するためにEOF(0x1A)を送信する必要があります。
通常のテキストファイルを単純に送信するだけではEOFは送信されないため、テキストファイルの最後にEOFを埋め込む(テキストエディタの機能でできるものがあります)か、通信完了後キーボードからctrl-Zを送る必要があります。
この際、全データ転送終了後1秒の経過を待って送信しないとザウルス側で受信完了になりません。