■クローズドなザウルスシリーズ
注:このあたりの記述は1997年当時のものです。 今読み直して見るとだいぶ環境改善が進んでいますが、ここで書いたようにオープン志向のPalm/WorkPadが伸びザウルスが沈む状況になってます(^^)/ だから言わんこっちゃない。
最近はオープン指向になってきたザウルスシリーズですが、PIシリーズの頃は徹底したクローズド政策を採っていました。
通信経路別のプロトコルは当然のごとく、各種データのフォーマットやアドインプログラム作成における規制など目に見える物見えない物でユーザーが独自プログラムを作成/流通させる事を規制していました。
「基本機能で十分」、「安易なユーザープログラムによる拡張はデータ破壊の元」、「サポートコストの増大」などオープン指向を採るとメーカーとしての負担が増えるという問題はあるのかもしれません。
このクローズド政策の弊害として問題となったのが「パソコンビューアダウンローダ」がExcel95で利用できない時期が長く続いたというものです。
大したデータフォーマットでは無かったため私が作って公開しましたが、ダウンロード数も多くユーザーが如何に困っていたかがわかりました。
フォーマットさえ公開されていればパワーユーザーが独自にプログラムを組みダウンローダを提供する余地は幾らでもあったはずです。(尤も、問題を認識していながらダウンローダを改善しなかったシャープの姿勢にも疑問を感じていたのですが。)
■PDAはオープン指向が似合う
ザウルス等のPDAは基本機能部分に関しては万人向けとせざるを得ず、完成度が高いとはいえ「ここをこうしたらもっと使い易いのに」という要望が常に出ます。
また、ザウルスであれば本体に内蔵されたモデムを使ってデータ通信を行えるためコミュニケーションベースとして単体のデジカメから画像を取り込んでメール送信したり、ハンディターミナル的用途、ポケットゲームマシンなどの用途に活用できそうです。
しかし、ザウルスシリーズでは「何ができて何ができないか」を知るための手がかりが非常に少なく、また知ることができても作る手段が無いなど欲求不満が高まります。
一方、京セラデータスコープや当初英語環境しかなかったHPの200LX、Palm top、Psionなどはオープン指向でユーザーに情報を開示(またはパワーユーザーよる独自解析)し、プログラマブルな要素を活かして日本語化がなされ(データスコープははじめから日本語対応ですが)、ユーザーの作ったプログラムが流通するようになり、それがメーカーに認められ標準的に日本語化パッケージ/ユーティリティ群として商用化まで進んでいます。
オープン指向はPDAの機能を補完するという意味だけでなく、ユーザーの安心という面が大きいと感じています。
不足している機能は流通しているフリーウェアやシェアウエアで「補完することができる」、今は機能的に不足しているが将来的に「誰かが作ってくれるに違いない」、「自分で作れる」という安心感です。
■ユーザーとして使い尽くすために
PDA(PIM)というのは共通項目はあるけど使う人の個性の固まりで一つとして同じ使われ方はされないはずです。
使いこなそうとすればするほど「もうひと味」ほしくなります。
ザウルスに当てはめて言えば基本機能とユーザーニーズとの差を埋めるのがアドインやMOREソフトであり、PCとのリンクソフトです。
これを正しく使えばザウルスの利用価値は飛躍的に高まるでしょう。
また長期的に見てソフト及びソフト政策のノウハウが蓄積されることで次世代機へ移行する際にもユーザーの混乱を最小限に抑えることができるでしょう。
しかし、これまでの経緯を見てもザウルスに関する情報はユーザーに開示/解放されていません。
インターネットが常識になりつつある現在、ユーザーは様々なPDAに関してメーカーが都合良く欠点を隠したホームページだけでなく、リアルユーザーのホームページなどで長所/短所を見ることができます。
その中でオープン指向の物はパワーユーザーの手によりユーザーコミュニティーが成立し、さらに磨きをかけられています。
それを横目で見ながら少しづつザウルスの秘密を明かしユーザーサイドに立ったプログラムを作っているのがundocumentedな作業でありZauBASEシリーズなのです。
ZauBASEシリーズは私がザウルスを使いこなすための苦闘の歴史でもあります(^^;(ウソ)
■これまでのundocumentedを振り返る
一時期undocumentedな作業を止めていたのですが、最近謎が増えてきたので様々なundocumentedを集めているところです。
昔に比べてシャープもオープン指向を理解したらしく様々な情報開示がなされており探せば必要な物が揃うようになりました。
それでもなお謎は存在し、その解明を阻むメーカーの壁も存在します。
その壁を突き崩し如何にundocumentedを解き明かしZauBASEに繋げて来たのかを過去のundocumentedで振り返ってみたいと思います。
undocumented始動す | PIシリーズのアドインコンテスト用に作成したプログラム製作はパソコンからザウルスへの転送という問題で大きな障害を抱え困難を究めていた。 なぜ通信エラーが発生するのか? どうしたら改善できるのか? 結論は自分で作ることだ。 さて、PCリンクプロトコルはどうやって調べるようか? シャープに聞いてみたら「教えないよ〜ん」とにべもなく断られて。 ならば作ってやるぜ(^^)! |
まずは道具づくり | 作ろうと決めた物の全く資料の無い状態では手も足も出せない。 通信を見るにはプロトコルモニタが必要なのか? で、価格は? うっ10万円もする(T_T) 個人で買うには... ならばこれも作ってやるぜ。 |
楽勝の通常通信 | オプションポート15を利用した通信は非同期無手順で一般的なターミナルでも送受信可能だったが、ちょっとした落とし穴があった。 果たしてそれは? |
光通信突破! | オプションポート15通信に比べ光通信は謎が多い。 なぜ素直に通信できないのか、何が阻むのか? Windows95 PreviewProgramと4回線のシリアルポートを駆使して光通信の謎を暴け! |
内部ドライブの基礎知識 | ザウルスの中には複数のドライブが存在する。 その中にはとてつもない秘密が隠されている場合もある。 ENGNEER.JPGはどうなった? |
必殺技パソコンリンク | パソコンリンクプロトコルでザウルスを丸裸。 プロトコルモニタでプロトコルモニタの秘密を暴け。 |
アップロードを使いこなせ! | パソコンリンクを使ってザウルス内部ファイルをアップロード。 開いてみれば秘密の宝庫。 |