ざうまが読者の皆様、こんにちは。

モバイル系雑誌、書籍などのザウルス、そしてPDAに関連するレビュー記事を担当させていただくこととなりました編集部員の沼澤憲一です。スタッフ紹介にもありますが、私は本当にザウ若葉マークの部員です。ザウ使いこなしの編集部先輩方、そして先達のパワーユーザーが多数を占める(と思われる)ざうまが読者層におきまして若輩の私、沼澤が雑誌レビュー記事を書く暴挙を、お許しいただくと共に今後、長い目でみてやって下さい。また、もしザウ系ビギナー読者の方がおられましたら、ざうまがを隅々まで読んで、これからの成長へ向けた糧としましょう。

 

「第1回レビュー記事」

さて、第一回目のレビューは、ビギナー向けモバイル系雑誌「モバイルビギン」からクリッピングチェックします。(発行元・世界文化社、店頭税込み価格580円)えっ、そんな雑誌は知らないよ…と思われた方もおられるのでは。同誌は99年1月10日号から新創刊され雑誌Beginの別冊号としてスタートしたようです。なお、次号は今年5月から6月頃の発行と(実際に編集部に確認をとりました)ずいぶんロングスパンですが、あの経済界が版元のMobile!と同様にまず季刊誌サイクルとして書店に並ぶ予定です。(同編集部も予定を強調していたため、動向は変わるかも、当然、売れ行き左右でしょう)

 

「該当ページはここ」

注目のPDA、ザウルス系記事は同誌28ページから31ページまで、ザウルスのみにいたっては30、31ページの見開き2P分しかありません。モバイルツールの購入や導入を予定している読者層を想定し、ミニノートPCの次に定番PDA特集として組まれています。ただ、まったくもって猛者の皆様には、物足りない内容ではないでしょうか。ただ逆に「これから初めてザウルスを買う」、「PDAでスケジュールチェックを始めたい」などと考えている方々には、初期導入を促す紹介記事として、書店なりでパラパラと目を通されてもまぁ、損はないと思います。ちなみに、2829Pは独自OSを搭載する定番PDAとしてパーム?が紹介されています。また、小さな写真ですがEPOC32を載せるサイオン(PSION)も同様に扱われており、キーボードなどの形状から、小さな写真でもかえって目立つように見えるのは、私だけでしょうか。

「抜出し内容チェック」

該当ページをめくると目に飛び込んでくる大きな「日本PDA界の王者はザウルス三兄弟」のたて抜き大見出し。35Pはあるとおもわれるフォントを使い強調しています。MI310MI610DCMI110Mを写真で紹介し「自筆感覚で文字入力ができ、キーボードが苦手な人も安心して使えるモバイルツール。また、さまざまな形式でパソコンとデータのやり取りができるのがいい。例えば「Excel」で作った表計算をザウルスで携帯し、行く先々で再計算やグラフ化もできる」(以上・記事の要略)などあっさりと説明、実に記事本文としては縦18文字の37行(つまり666文字分です)しかありませんでした。少し触れられているエクセルデータの記載など、「実際にはエクセルデータ形式の違いにより、完全なPCデータとのファイル互換には制限がある」位の記述はほしかったです。

 

「ココが気になる…」

実際に雑誌を参照されれば百聞一見状態なのですが、ザウルスについての説明が淡白すぎるのが気になります。また、三機種の価格については、メーカー標準価格が記載されており、例えばMI610DC168000円などと(そんな値段だったとは、この雑誌記事で改めてびっくりしました)、おそらくニュースリリース表記をそのまま、転記したのでは…。大概の雑誌が店頭実勢価格を載せている昨今、これはいかがなものでしょうか。一方、肝心の機能、そして使いこなしについては各機能別(つまりパワザウのアイコンで呼び出される各ソフト別の画面)画面を写真付きでコンパクトに紹介しているのは見易いし、好感が持てます。

ただ、アドレス帳やフォトメモリー、情報ファイル画面などにはちゃんとデータが入力(例文としてのテキストや画像、ファイル作成)してあるのに対し、何故かデイリープラン画面の紹介のところだけ(本当にここだけです)はまっさらの予定なし画面写真がポンっと。P説に「充実の個人情報管理はデイリープラン機能で」とあるのに、これは変。デイリープランは、各種の予定やコンタクトが詰まっているときに参照すると、やるべき予定が一目でわかるのが売り。充実もなにも、本当のビギナー読者が見たら「何これっ」と疑問に思われても仕方ない所でしょう。

 

「評価しますね」

ここまで、読んでいただいた皆様には御察しがついている通り、ザウルスの機能や特筆すべき情報など記事内容、あまり踏み込んで書かれていません。新創刊雑誌のスタンスとしてノートPCやザウルス、そしてPHS、アクセサリーからバッグ、有名人モバイラーのインタビュー記事、はたまた機器の通信設定、PCカード、デジタルカメラまでカタログ的にサラッとまとめられており、今のモバイルトレンドを一通りチェックするには、良いビギナー向け雑誌かもしれません。ただ、同誌は、あまりにもテーマを広げすぎている感がありノートPCのHDD載せ換え、といった改造ページまであるのは、コアなのかビギナー向けなのか疑問に思うところです。

特にザウルス系、そしてPDAについては、あくまで紹介程度にとどめており、何もまだ知らない私のような人間が、購入時などの検討用に記事を読んで「ふむ、ふむ」と言う程度ではないでしょうか。同誌の編集方針もそうした購入喚起を促すよう想定し記事構成していると思われます。

ただ、特筆すべきは巻末のモバイルツール進化論。これは一読の価値ありです。初期マッキントッシュや日本初の自動車電話、、鳴るだけの真っ黒なPベルなど黎明期の各種端末、機器から現代の情報ツール、モバイルパソコンまでを世界の動き、年表と絡め写真入りでまとめられております。シャープ社の電子手帳進化も簡単に触れられており、知っておられる方々には懐かしさいっぱいの内容では。私も昔、仕事で使っていた東芝ルポ30や、テレターミナル通信なんていう言葉を思い出しました。

モバイルツールや時代背景、表舞台から消えた機器など、各種を網羅した画像付きCD‐ROMなんてあれば面白そうですね。(もう出ていたらゴメンナサイ)

 

PS・18日は技術評論社のモバイルプレス発売日です。もう買った方も、まだの方もお忘れなく。