■押さえどころ
データベース定義が簡単にできます。 パワーザウルスのフォトメモリ上の画像をデータベースに取り込み画像データベースとすることができます。 データベース上でデジカメを起動し撮影した画像を即データベースに取り込むことができます。 31種類の標準フォームがあらかじめ登録されているためすぐに使うことができます。 |
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「データベース」という言葉に異義ありです。 アドレス帳の項目定義が変更できるようになっただけとも言うことができます。(アドレス帳も住所データベースなのですが(^^; ) 選択肢、テーブルといった入力統一や簡素化の機能に欠けます。 数値集計もできません。 画像データベースが作れると言いながら写真/画像の入力項目は1項目しか設定できません。 データベース上でデジカメ撮影をする場合の画像サイズ、画質の設定もできません。(標準が画像:中<1/4VGA>画質:ノーマルで変更する場合は撮影する度に設定を変える必要があります) パワーザウルスとMS-ACCESS97のリンク機能がありますが、設定等が複雑で初心者向きではありません。 |
ザウルスポケット(MI-100系)で採用されたパーソナルデータベースは画像を扱えるデータベースとして注目を集めましたがモノクロのザウポケではその威力を発揮することができませんでした。
カラー環境を持つパワーザウルス2に搭載されて初めてデジカメとの連動も実現した真のパーソナルデータベースとして完成されました。
しかし、私がデータベースという言葉から受けた機能への期待は結局期待はずれに終わりました。
■簡単に定義できるデータベース構造
あらかじめ31種類の標準フォームが登録されており、自分の必要としているものがあればそのまま使うこともできますし、標準フォームの項目に追加、変更すことで自分独自のフォーム(ユーザーフォーム)を作ることができます。
ポスペの宝物リスト リスト表示画面 宝物を拾ってきた時の状況を記録。 宝物が増えたら即デジカメで撮影して記録できます。 |
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リスト項目の選択 項目名にタッチすると項目一覧が表示され写真項目以外は自由に並べ替えることができます。 |
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1件表示 リストの場合も1件表示の場合も写真あり、無しが選択できます。 |
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画像だけ表示 画像部分だけを表示することができます。 |
■データの並べ替え
データの並べ替えは非常に簡単です。
並べ替え対象となる項目にタッチすると画面下に「昇順、降順」、「あいうえお順」、「アルファベット順」のボタンが現れます。
このうち「昇順、降順」ボタンが現れるものが並べ替え対象となります。
昇順/降順 フリー項目、数値項目、日付項目の場合このボタンが表示されます。 文字列、数値の昇順/降順に並べ替えます。 |
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読みの場合 項目で「読み」を指定した場合にこのボタンが表示されワンタッチでその行のデータが表示されます。 (もしその行に該当するデータがなくてもその行以降に該当するデータがある場合はデータが表示されます。 左では「あ」行を表示していますが、「あ」行以降のデータも表示されています) |
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英数記号の場合 「0-9」、「abc」、「def....」のボタンが表示されワンタッチでその頭文字を持つデータを表示することができます。 |
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■画像データの取り扱い
パーソナルデータベースの特色として「フォトメモリ画像の貼り込み」や「その場でデジカメ撮影したデータ」の貼り込みができます。
画像データに関しては「写真」データとした場合は1項目しか貼り込めませんが、フォトメモリ画像のタイトルをフリー項目に貼り込む方法(タイトルリンク)でこの制限を回避することもできます。(ただしタイトルによるリンクの場合はデータベース上に画像が取り込まれるわけではないので使い勝手は悪くなります)
フォトメモリで「複写」 画像を選択後、メニューを表示して複写します。 |
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タイトルを貼り込み コメント(フリー項目)に「貼り込み」するとクリップマークに続いてPICURE(833107AA.JPG)というような文字列が貼り込まれます。 データベースの表示画面で「コメント」という文字列部分をクリックするとリンクされた画像が表示されます。(この画像をフォトメモリで見ることもできます) |
この方式の場合、データベースのサイズは小さくなり表示等が高速になりますが、フォトメモリ側で該当する画像データを消すと画像が表示されなくなります。
■データベースという名称の意味は?
当初はパーソナルデータベースがパワーザウルスの価値を高めるものかと期待していましたが、機能分析を進めるうちにこれを「パーソナル」とはいえ「データベース」と名付けて良いものなのかと考えるようになりました。
確かに項目定義ができてデータを管理できますが、「データベース」という言葉からPIシリーズ用のICカードとして発売さRていた集計データベースカードを高度にしたものかと思ったのですが、違っていました。
選択肢による入力、他のデータベース参照、項目計算(集計)などができると思ったのに当てが外れてしまいまいした。
最低限「選択肢」程度は使えないと統一した項目(ジャンル)によるデータベースの構築ができないのでは?
データ容量の問題を除きPIシリーズの集計データベースカードの方が高機能です。
■結局機能強化されたレポートかな?
パーソナルデータベースの仕様から見てレポートや自由帳の項目定義を拡張して項目の属性や画像に関する拡張を行い検索機能を強化したというものだと言えます。
「プロデータベース」のMOREソフト販売に余地を残したのかな? と考えています。
■物足りない点
一つのデータベースに写真項目が1個だけというのも使い勝手を悪くしている要因です。
標準フォームを眺めていても「おいしいお店」というデータベース中に「料理の写真」という項目はあるのですが、「お店の写真」という項目が作れません。(待ち合わせでも「地図」はあっても相手の「顔写真」がないなど)
画像を取り込めるデータベースとしての魅力を損ねる仕様だと思います。(フォトメモリのタイトルを貼り込んで参照するという方法でもできないことは無いのですが、データベース内に取り込まれるわけではないため一貫性に欠けます)
■パーソナルとは言いかねる点
パソコンとの間でデータ連携をする場合にMS-ACCESSが必要になります。
確かに「データベース」として考えれば同じデータベースのMS-ACCESSが対象となるのでしょうが、パーソナルデータベースの機能を考えるとMS-ACCESSを使う必要性に欠けます。
また、MS-ACCESSというのは通常パソコンにバンドルされているMS-Officeには含まれず別に購入する必要がありインストールすればハードディスクを大量に消費します。
MS-ACCESSは他のOfficeソフトに比べて設定等が難しく使い方もExcelやWordより数段難しいものです。
たかが、パーソナルデータベースとのリンクだけのためにMS-ACCESSを購入しなければならないというのもすっきりしません。
無理にMS-ACCESSにリンクせずにVC++とかVBでパーソナルデータベースとの互換性を取ったアプリを提供したほうがユーザーのためです。
その意味ではザウルスプラザにおけるパーソナルデータベースの仕様公開が行われユーザーサイドでプログラミングする際の参考資料ができたので今後はMS-ACCESSを必要としないアプリケーションが登場するものと思われます。
Power ZauBASEシリーズでも補完システムを組む予定です。(こういうユーザー泣かせを見ると組みたくなるんですよ(^^; )
undocumentedな制限
マニュアルを見ていてもわからなかった制限事項として1つのデータベース全体のデータ容量というものがあります。
たとえば「フリー」項目に最大限データを入力するとその他の項目にデータを入力することができません。
限界まで入力しなければ特に問題は出ないと思う点ですが、何のエラーメッセージも出ずに入力できないのでとまどいます。