■ワールドワイドか、ローミングか、それとも現地か

ちょっと前までは国内プロバイダは国内専用で、海外に行く場合にはワールドワイドなネットを持つIBMやATTなどのプロバイダに加入した方がスムーズな通信ができました。

しかし最近はローミングサービスという、海外で他のプロバイダのアクセスポイントを相互に利用できるサービスが充実し国内プロバイダの大半がこのサービスを提供しているので用途に応じた使い分けが必要となります。

・ワールドワイドなプロバイダ

IBMネットやATTワールドワイドネットワークは自前のアクセスポイントを世界各国に持ち「1分あたりの基本課金」という意味では世界共通で一律である場合が多いようです。(ただし、最近は自前のものよりローミングサービスを使う場合が多くなってきています。)

また、アクセスポイントによる違いは多少ありますが、基本的に日本国内で使っている接続用コネクションIDやメール関連設定もそのまま利用することができます。

ワールドワイドプロバイダのメリットはどの国でも同じように利用できる安心感にあります。

ただし、その分基本のアクセス課金が高めのような気がします。


使いこなし隊などの情報ではザウルスの標準的な接続設定で接続できること、コネクションIDやパスワードが全世界で同じものが使えることからIBMネットが最も安心して利用できるようです。(一部アクセスポイントを除く)

・ローミングサービス

こちらは日本国内のプロバイダを海外から利用するための手段として提供されています。

ローミングサービスを提供する主体は専門の通信業者となり、同じローミング用アクセスポイントを様々なプロバイダで共用しています。

ローミングサービスを利用するばあい、通常はコネクションIDに識別のための文字を付けたり、コネクションIDに "aaa00001@infoweb.or.jp"のようにドメインを付けたりします。(なお、MI-500シリーズの場合、16文字以上の長いコネクションIDを登録するには裏技を使う必要があります)

ローミングサービスの場合は通常の接続で対応できる場合が多いのですが、「接続手順」を必要とするアクセスポイントもあり、ザウルスの場合はその手順を組み立てるまでにかなりの試行錯誤が必要です。

また、ローミングサービスの場合はプロバイダの通常課金+ローミングサービス利用料金がかかります。

通常1分20〜70円と外国から日本へ国際電話をかけて繋ぐ事を考えれば安いのですが、長期的(長時間)に利用する場合は割高になります。

・現地のプロバイダ

長期滞在する場合は現地のプロバイダと契約することもできます。

アメリカのプロバイダは基本料金だけで使いたい放題というものも多いので特に利用が多い場合はこのようなプロバイダと契約する方がメリットがあります。

また、アジア諸国ではローミングのアクセスポイントも少ないため状況によっては現地のプロバイダと契約したほうが良いかもしれません。

どちらにしろ現地での語学力と交渉力が必要なので(^^; できる人は挑戦してみて下さい。

・究極の裏技

表技ですが、国際電話かけて日本のアクセスポイントに繋ぐことです(^^;

海外通信体験記をみても、現地のアクセスポイント電話番号やメール転送設定などの変更に関する忘れ物をして国際電話経由でアクセスするという場合が結構あるようです。

国際電話をかける場合にはKDDなどのプリペイドカードなどを利用して割安に電話できるようにしましょう。


■最適なプロバイダを探してみよう

プロバイダによっては国別に得手不得手があるので、利用したい国でのアクセス環境の充実度事前に調べておきましょう。

インプレスのInteret Magazine付録のCD-ROMに含まれるプロバイダショックドサーチはこういったことの検索が非常に強力なので一度見ておくと良いでしょう。

また、オンライン上で最新のプロバイダ情報を検索できるものがあります。

->Provider Power Search


■海外接続における厄介な「接続手順」

海外接続においてザウルスユーザーを悩ませる最大の問題が通常とは違う「接続手順」の問題でしょう。

プロバイダからローミングサービスで利用可能なアクセスポイント毎に接続手順が公開されており通常のPAP認証対応アクセスポイントならザウルス側も標準的な接続設定を行えば接続可能ですが、「接続スクリプト」を必要とする場合はザウルス側では接続手順を作成する必要があります。

通常「接続スクリプト」として提示されるのはWindows 95やNTなどのスクリプトとなっており、そのままパワザウで利用することはできません。

よって、Win95などのスクリプトをザウルスの接続手順に変換する必要があります。

接続手順の書き方

外国で利用できないという建前があるとはいえ、こういった接続手順の事例などは本来シャープ(株)が提示しても良さそうなものですが(^^; やっぱりメーカーとしての建前厳守があるのでしょう。