■速報システムの変遷
ここ数年ざうまがではビジショウ会場からの速報を行っています。
過去の速報は「ザウルスの可能性を追求する」ことを目的に「ザウルスだけ」でWeb更新を行ってきました。
旧機動取材システムザウルス+専用デジカメがあれば画像付きでWeb更新が可能です。
ザウルス側で使うとしては「デジカメ」「フォトメモリ(PC送出でJPEG画像)」「インクワープロ」「エディタ」「FTPクライアントソフト」です。
1.最初のシステム
ザウルスだけでWebを作る方法が実現できたのはSZABサポートWebでエディタやFTPクライアントソフトが公開されたおかげです。
初期のFTPクライアントは設定が難しく難儀しましたが、それでもザウルスだけでWeb更新ができるというのは画期的なことでした。
98年のビジショウ速報で実用化しています。
この速報システムではエディタを使ってHTMLを作成→FTPでアップロードという方法を取っていたのですが、この方法ではWebにアップロードしてみないと正確に作成できているか確認できないためアップロード後にミスに気づいて再度編集し直してアップロードということが度々ありました。
また、複数のページを作る場合のリンク管理も面倒な部分でした。
2.会議室と併用
速報システムの第二世代として面倒なHTML作成を省略する方法として会議室cgiと併用しています。
画像だけ先にWebへアップロードしておいて、会議室の発言中にHTMLタグで画像表示を指定するだけで済むことと、説明に不足しているものがあればコメントとして付け足すことができます。
また、インターネットカフェ等でパソコンが使える場合はそれを使ってWebにアクセスして補足説明を書くこともできます。
会議室システムは速報を見た人のコメント(レス)も入れてもらえるということで、見落としていた展示品情報なども発見できるというメリットもあります。
・ザウルス単体だけでのデメリット
コンパクトなシステム運用という面からすればザウルス単体ですべてをまかなうのが一番です。
しかし、過去の経験から考えるといくつかのデメリットがあります。
ザウルスのデジカメを使って撮影するとその画像はフォトメモリに保存されます。
その画像をWebにアップロードする際には一旦PC送出機能によりJPEGデータにする必要があります。
また、画像ファイルをアップロードしてしまえばオリジナルのフォトメモリ上の画像は削除してもかまわないのですが、削除した場合でもフォトメモリ上のデータは「メモリ整理」しない限り本当に削除されません。
メモリ整理自体はそれほど時間はかからないのですが、電池の容量不足の時にはメモリ整理が実行できないため、ここ一番の時にメモリ整理ができなくて何度泣いたことか(^^;
またJPEG画像化する場合、本体上の画像は本体、カード上の画像ははカードというようにフォトメモリとJPEG画像が同じメモリ上に存在するため、メモリ不足によりPC送出できなくなる場合が多々あります。
もう一つは変換した画像のファイル名がザウルス独特のファイル名となるためどれが何かが分からなくなります。(052202AA.JPGなど)
このファイル名の付け方も良し悪しで、日付+時間+連番形式となっているのですが、JPEG画像を削除してしまうと同じ連番のものが生成される可能性があります。
そのままFTPでアップロードしたら上書きされてしまいます。
この欠点に気づかなかった時は貴重な画像を失ってしまいました。
3.MOREソフト時代の速報システム
ザウルスだけでのWeb更新実験なども兼ねた速報システムはまずまずの実績でしたが、欠点も多かったため全体的な見直しを計り第三世代の速報システムを構築しました。
第三世代の速報システムはザウルス+単体デジカメ+各種MOREソフト+会議室cgiという組み合わせで実現しています。
SZABお試し版無償公開以降、様々なジャンルでのMOREソフトが作成され速報システムに使えるものが増えました。
単体のデジカメで撮影した画像をザウルスで加工、HTMLの編集、ファイルの移動、FTP支援アプリ、常駐型アプリケーションランチャーなど使えるソフトが増えています。
●速報の手順
今回使ったデジカメはオリンパスのC-820Lです。
これは1024x768まで撮影可能な82万画素デジカメですが、撮影にはVGA(640x480)モードを利用しています。
2年近く前のデジカメなので使い勝手に少々難がありますが、接写時のフォーカスが良好なので使っています。
画像はスマートメディアに記録されます。
ザウルスでスマートメディアを読む場合はPCMCIA TYPE2アダプタの利用が必須となるため、MI-506/504/610/EX1が選択肢となりますが、使い慣れたMI-610を使っています。
C-820Lの画像保存ディレクトリは
\IMPLYM になります。
この画像を読み出すのにJpeg Cutter & Movieを使っています。
また、VGAサイズの画像をそのままアップロードすると画像サイズが大きいため通信時間が長くなることを考慮してJpeg
Cutterの機能で縮小を書けています。
1/2サイズで320x240ドットに抑えています。
加工後の画像は本体上に記憶します。
Web公開する場合、本来ならHTMLエディタでHTMLファイルを書いて画像と一緒ににアップロードする方法を取るのですが、速報システムは会議室システムを基本とした運用のため会議室への発言として作成するテキスト中に<img src="">タグを埋め込みます。
このテキスト作成にHTMLエディタを使っています。
作成したテキストをインクワープロに貼り付けてアップロードに備えます。
FTPクライアントでWebサーバに画像ファイルを転送しますが、FTP用"SIN1PPPS.DAT"作成支援としてMOREインターネット設定を使います。
画像のアップロードについては一気に行った方が通話料の接続にもなるため、速報は1時間程度に1回行うことになるでしょう。
ザウルス標準のインターネット接続を行い速報用会議室にアクセスしてコメントを入力します。
通常の会議室とは別に専用の入力画面を用意してザウルスでの入力負荷を軽減しています。
発言した結果等をブラウザで確認します。
必要に応じて追加コメントをします。
アップロード後混乱を避けるためにアップロード済みの画像をザウルスから削除します。
また、デジカメメモリカード上の画像も別ディレクトリに移動しておくと次の選択が楽になるので移動しておきます。
◆アプリケーション切り替えを迅速に行う
メニューから選択していると切り替えの手間がかかるためとめらさんの常駐型アプリケーションランチャーのTLaunchに速報用アプリケーションを登録して利用しています。
今回は強力なMOREソフト群により、前回よりも多くの画像をアップロードして速報を充実させたいと考えています。
・速報システムで利用しているソフト名
(各画像の著作権は各作者にあります)
メニューランチャー |
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ソフト名/作者 | 画面コピー画像 | 特徴 |
TLaunch とめらさん |
常駐型アプリケーションランチャーです。 速報に利用している各アプリケーションを呼び出すために利用しています。 |
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デジカメ画像/ファイル処理関連 |
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ソフト名 | 画面コピー画像 | 特徴 |
JpegCutter & Movie mabさん |
デジカメのメモリカードから画像を読み出して切り出しや縮小などの処理ができます。 ザウルス専用デジカメで撮影した分割画像のアニメーション再生を行うことができます。 |
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ザウルス ユーティリティ SZABサポートWeb |
これは一般公開品ではありませんが、ザウルス内部ファイルに対する各種操作ができます。 速報システムではJPEGファイルのリネームなどに利用しています。 入手するにはSZAB製品版の購入が必要です。 |
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Twin File
Manager yonezawaさん |
本体とメモリカード間でのデータ交換に利用しています。 | |
エディタ |
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ソフト名 | 画面コピー画像 | 特徴 |
mab Editor mabさん |
2画面同時編集機能付きのエディタです。 縮小文字が表示できるためざうまがの記事作成に使っています。 |
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顔文字IT! SZABサポートWeb |
定型メッセージを登録できるクリップボードです。 任意の画面でペーストできます。 文字入力の支援に使います。 |
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どこでもHTML mabさん |
本来はHTMLファイルの記述用ですが、今回は<img src="">タグの作成に利用しています。 | |
インクワープロ ザウルス標準機能 |
インクワープロ上に登録したテキストを「インクワープロ参照」で他の機能に貼り込むことができます。(会議室への投稿時に利用) | |
インターネット/FTP関連 |
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ソフト名 | 画面コピー画像 | 特徴 |
FTP
クライアント SZABサポートWeb |
汎用FTPクライアントです。 アップロード、ダウンロード、ディレクトリの作成/削除、ファイルの削除、リネームに対応しています。
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MOREインター ネット設定 ウクレレとりっぷさん |
FTPで使う "SIN1PPPS.DAT" の記述を簡単にすることができるユーティリティです。 |
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インターネット ザウルス標準機能 |
速報室のデータ入力やざうまが会議室の発言上京チェックに利用します。 | |
ライブラリ ザウルス標準機能 |
言いたい放題などのデータを保存しています。 |