■語られなくなったザウルスの姿
1997年頃をピークにパソコン誌やモバイル誌にザウルス関連の記事が載ることが減りました。
当時はWindowsを搭載したノートPCやリブレットなどのサブノートPCが普及し始めていた頃でモバイル=ノートという時代に入っておりザウルス以外の選択肢が増えた結果、相対的にザウルスの地位が低下したということが一つの要素でしょう。
また、ザウルスに関しては基本的な機能は旧機種と互換性を持ちながら進化していたため大きく変化することもなく、記事にするには魅力の無い内容であると編集者が考えたと思われれます。
その後1998年頃から海外のPDAであるPalm Pilotに関する記事が目立ち始めます。
発売直後は英語版のまま使うというマニアックなPDAでしたが、間もなくユーザーによる独自の日本語化が行われ流行もの好きの電子グッズマニア層、パソコン雑誌等の編集者/ライター層が使い始め密かなブームとなっています。
それでもまだ当時のPalmには「一歩先行く人のハイテクおもちゃ」としての観があり、入手できたのも一部ショップだけであり、雑誌等での記事スタンスもPalmを日本語化することがメインであったりカスタマイズ自慢といったものが多かったと記憶しています。
しかし、編集者やライターがこぞってPalmを持ち上げ始めていたのも事実であり、誌面にザウルスが登場することは無くなってもPalmが出ない月は無く、「ザウルスの現在」の姿が正しく語られることが極めて少なくなりました。
雑誌ではなく書籍としてザウルス関連本が発売されることも無くなり、その代わりにPalm系PDAに関する書籍が多数発売されています。
1999年になってPalm OSそのものが日本語化され、IBMからWork Padとして発売されるに至り既に下地のできていた出版界はこぞってPalmを持ち上げる記事を書き始め書籍を出し始めました。
その勢いは2000年になっても止まるところを知らず、いつの間にかPalm vs ザウルスという対立の図式が作られ、その中で優劣が付けられる形での記事が目立つようになりました。
■ザウルスはPalmに劣っていない
なぜこのようになったのかはこれから過去にさかのぼって調べて行こうと考えているのですが、最近は
「ザウルスはPalmに劣っている」
「ザウルスはオヤジ向け」
「ザウルスを使うのはダサイ」
「恥ずかしい」
といった事が喧伝されているようです。
ザウルスバッシング、ザウルスに対するネガティブキャンペーンが何らかの形で組織的に行われているような気配を感じるものの、最も大きな原因は「ザウルスの現在」が正しく語られていないことでしょう。
ザウルスが劣るとする記事を見るとザウルス vs Palmで語られるザウルスの姿は1998年当時のものです。
Palmを推す側に見られる言葉は
「お仕着せのソフトしか無い」
「不要な機能まで搭載されている」
「高い」
「ザウルスにはカスタマイズ要素が少ない」
「起動が遅い」
「デザインが悪い」
「PCとの連携が悪い」
などザウルスユーザーからすれば「ザウルスの事を知っているのか?」と叫ばずにはいられない状況です。
逆にザウルスを推す側はなぜか現状追認型で「確かにそう」「ザウルスは変わってしまった」「新型に期待」など迫力不足です。
明確に「ザウルスの現在」を語りPalmとの真っ向勝負に持ち込めば少なくともザウルスが劣るという結論にはならないでしょう。
ザウルスとPalm間で貶しあっても仕方がありませんが、ザウルスの正しい姿を語ることでザウルスの良さPalmの良さは分かってもらえるでしょう。
その上で読者にどちらを使うのかを選択してもらえば良いのです。
■ザウルスが一番
パソコン雑誌やモバイル雑誌などの専門誌がPalm優位論を採ることで他の雑誌もそれに追従します。
メンズファッション誌などにもPDA特集などがありますが、そこで語られるのは専門誌から借りてきた情報に基づくものとなっています。
それらを見ていると知らず知らずのうちに「ザウルスはPalmより劣る」「使うのはかっこ悪い」などのネガティブな要素が潜在意識に刷り込まれます。
販売店でザウルスとPalmを使ってみてザウルスの方が自分に合っていると感じても潜在意識からわき上がる「ザウルスで良いの?」「ザウルス使うとかっこ悪いよ」が障害となって購入に至らない可能性があります。
また、買ってからもザウルスの事を知ろうと書籍など探しても「ザウルスの現在」を語るものは無く、パソコン雑誌/モバイル雑誌にもザウルスに関して良いことは書かれていないため「本当にザウルスを買って良かったのか?」と不安になります。
日頃からざうまがWebを見て、ざうまがを読んでいればザウルスに自信が持てると思うのですが、ザウルスを買う前の人やザウルス初心者は誰かに励ましてほしいでしょう?
ならば、私が言ってあげましょう。
「ザウルスが一番」
と。
■ざうまがより抜粋 ザウルスユーザーはオヤジじゃ無い(^^)/
他のPDA(特にPalm)ユーザーがザウルスを貶すさいに使う言葉は「ザウルスを使うのはオヤジ」というものです。
何かに付けてシャープ・ザウルスチームも「今度の新型は若者層を狙った/若者向けに開発した」的な発言をするため、ざうまがを書いている私(まると)ですらザウルスユーザーの年齢層が30代以上にピークを持つのかと考えていました。
ところがMP3プレーヤーキット発売前に行ったユーザーアンケートの際にユーザーの年齢層に関する項目を入れたところ、ザウルスユーザーの年齢層は20代、30代が多く占めています。
果たしてこの層を「オヤジ」と位置づけるのか? こんな疑問からざうまがで「ザウルスユーザーはオヤジじゃ無い」「ザウルスは素晴らしいPDAである」という記事を書いてみました。
→ざうまが81号より抜粋:『謎 誰が「オヤジ」と言い出した?』
→ざうまが89号より抜粋:『ザウルスに関する誤解を解く』
→ざうまが103号より抜粋:『打倒!Palm陣営宣言 勝手に勝利宣言』