■基本はアイクルーズのはず(^^?
・ソフトの基本仕様
パワザウ3になぜ16MBのメモリ(うちDRAM 8MB/データ用フラッシュメモリ 8MB)が搭載されているかを問い合わせたところ「アイクルーズがベースだから」とのことでした。
ハードウェアはアイクルーズ相当らしいです。
その一方で画面はQVGA(1/4VGA 320x240ドット)のため、ソフトの印象としてはカラーポケットと同じように見えます。
どちらかというと使いにくい1ヶ月カレンダー(MT-200の例)特にスケジュールにおける1ヶ月カレンダ表示は最悪とも言えるカラーポケット的色つきの丸印表示です。(mabさんの月の予定表を見習って欲しい(^^)/)
現在問い合わせ中ですが、内部データ形式が従来のパワザウ系列でなく、アイクルーズから採用された新形式の場合、SZAB等で公開されているユーザー作のMOREソフト動作に問題が生じる可能性もありります。(旧機種のフラッシュメモリを差すとデータ形式の変換を行うかの確認メッセージが出るので多分アイクルーズ系の新型BOX形式なのでしょう)
■改善ポイント
1.操作ステップ数の削減
内蔵機能における改善ポイントは操作におけるステップ数(ボタンを押したりタッチする回数)の削減です。
特に新設された「ツールメニュー」にはよく使う機能を登録することで、他の機能を使っていても最短ステップで必要な機能を呼び出すことができます。(従来機種では一旦ホームメニュー/基本インデックス等に戻ってからタブなどでメニューを切り替え目的の機能を呼び出す必要がありました)
また、PIシリーズでユーザーが愛用していた「お好みメニュー」も復活し、特にデータの複写/貼り込みといった操作が非常にスムーズに実行できるようになりました。
メール受信は最適に設定してあれば、電源ON/決定キーを押すの2ステップで受信状態となります。
2.スクロールボタンの使いこなし
スクロールボタンや決定ボタンを搭載した3世代目の機種となり、やっと内部機能でのスクロールボタンの使いこなしが進んでいます。
従来機種では「ここでこうなる」と思う感覚とは違った挙動を示すことがあり、使い勝手を落としていましたが、パワザウ3では概ね思った通りの動きをします。
また、ボタンの動きをメニューで設定できる場合もあり、自分の好みに近づけることができます。
3.フラッシュメモリの有効活用
フラッシュメモリカードに関する機能も改善され、本体からの部分データ移行なども実現しています。
基本的は「通信」でデータをやりとりする場合と同様の単位で本体/カード間でのデータ複製/移動ができます。
また、メールに関してもフラッシュメモリ上のデータを表示することができるようになりました。
通信における対象項目 |
各種機能データを個別にカードへ複製/移動 従来の機種でカードにデータを移動/複製する場合は全データを一括で行いその後は本体/カードで独自のデータファイルとして入力等の操作ができましたが、本体とカード間で自由に個別データをやりとりできたのはライブラリデータとフォトメモリデータに限られました。 パワザウ3では個別機能データを本体とカード間で相互にやりとりできます。 基本的に各機能において「光通信」「ケーブル通信」のメニューに現れる単位での複製/移動が可能になります。 |
ダイレクトキーの復活 パワザウ3ではアドレス帳やスケジュールのダイレクトキーが復活しました。 そのため、他の機能を使っていてもすぐに呼び出すことができます。 ツールメニューも新設され、光通信/ケーブル通信といったパソコンとのデータ交換機能や良く使う機能を登録しておくことができます。 「操作メニュー」キーもありますが、通常の使用ではこのメニューを使わなくてもPIシリーズ的な「お好みメニュー」としての設定が可能になっており、複写/貼り込みといった基本的な操作を行うための操作ステップ数が減っています。 |
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インデックスメニューの改良 ホームインデックスについても自由な定義ができるようになりました。 また、従来機種では複数のメニューがあった場合、それが順番に表示されましたが、パワザウ3では必要な物だけを表示できるようになり使い勝手が向上しています。 |
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アイクルーズにおけるタブメニュー (注!アイクルーズはカレンダ上にスケジュール内容が表示できました) |
メニューがタブ形式に アイクルーズは既にタブ形式メニューを採用していましたが、パワザウ3もタブメニュー仕様となっています。 従来機種のアイコンメニューや文字メニューに比べてわかりやすいメニュー構成なので慣れると使いやすいです。 アイクルーズでは消化不良部分が多かったタブメニューですが、パワザウ3では納得できる操作感覚となっています。 ただし、既製品のMOREソフトやユーザーが作ったMOREソフトは従来通りのアイコンメニューやテキストメニューなので、操作上の不統一感は否めません。 |
インクワープロ参照の無いアイクルーズ |
インクワープロ参照の復活 アイゲッティやアイクルーズでは省略されたインクワープロ機能ですが、パワザウ3では標準機能として復活しました。 また、従来通りのインクワープロ参照機能も復活しました。 |
初期化の設定 初期化操作において選択メニューが表示され、単純なリセット/内部データの初期化/データチェックの3候補から選択できるようになりました。(パワザウ3は初期化ボタンの無い形式なので、決定ボタンを押しながら電池蓋のロック→解除→ロック操作で初期化操作です) データチェックは従来裏技として知られていたシステムユーティリティと同様の機能で、ザウルス内部のファイル形式であるBOX形式データの適合性チェックを行い、矛盾がある場合には自動的に修正を行うというものです。 従来BOXファイルにエラーが発生した場合はそのファイルは全削除する必要があったので改善と言えます。 |
■パワザウ3に搭載されている機能
・文字入力ボード
一部ユーザーが熱望していたローマ字かなキーボードは復活しませんでした。
電池交換などで電池蓋の解除/ロック操作を行うと変換学習の結果がリセットされます。(このあたりはMI-100系以外はどれも一緒)
機種 |
MI-C1 |
|
手書き認識 |
続け文字認識 |
|
インクワープロ参照 |
○ |
|
50音 |
○ |
|
ユーザー辞書 |
○ |
|
ローマ字カナ |
× |
|
ユーザー辞書 |
37語 |
|
常用語 |
○ |
|
区点入力 |
○ |
|
携帯キーボード |
対応 |
|
ユーザー辞書 |
37語 |
|
手書文字登録 |
100文字まで |
|
くせ字学習 |
100文字まで |
|
変換辞書 |
145,000 |
|
文字種 |
手書認識文字種:4,082種(JIS第1水準漢字:2,965、JIS第2水準漢字:722、非漢字:395)) |
・基本機能
系列的にはMI-310以降の新PIM体系ですが、アイクルーズ的なものも含まれています。
パーソナルデータベース2はアイクルーズに搭載されていたMYコンテンツをより使いやすくした仕様のものだそうです。
評価の○×等はまるとの独断です(^^)/ 実際に入手して使い込み始めたら評価がころっと変わるかも。
評価 | 機種 |
搭載状況 |
コメント |
× | スケジュール |
○310形式 |
1ヶ月カレンダの表示が情けない仕様です。 6ヶ月カレンダーもありません。 |
△ | アクションリスト |
○非ダイレクト |
スケジュール/アクションリスト間でボタンによるワンタッチ移動ができません。 |
◎ | アドレス帳 |
○310形式 |
ワンタッチで目的の名前の頭文字を設定できる50音パレットや文字拡大機能が付きました。 |
○ | フォトメモリー |
○ |
GIF/JPEGに加えPNG形式データも表示可能です。 |
○ | 手書きメモ |
○ |
手書きした画像をGIF形式としてメールに添付することができます。 |
○ | 情報ファイル |
○ |
PC送信箱/PC受信箱の新設されました。 送受信メールを情報ファイルに登録することが可能です。 |
× | デイリープラン |
× |
これはMI-610まで搭載されていた機能で、指定した日に関連したアドレス帳スケジュール、手書きメモ等の情報を一覧表示する機能です。 こだわる人多し。 |
◎ | インクワープロ |
○ |
標準機能として搭載。さらに清書時の手書き文字認識入力が可能になりました。 |
○ | インクワープロ参照 |
○ |
インクワープロで作成したテキストデータを他の機能で引用する機能です。(クリップボード的に利用) |
○ | レポート&自由帳 |
○ |
定型フォーマットを作成可能な簡易テキストデータベースです。 |
○ | ワープロ |
○ |
文字修飾や書式指定可能なワープロです。 罫線などの機能はありません。 パソコンのワープロソフトとRTF形式ファイルでデータ互換があります。 |
△ | 表計算 |
別売MORE |
Excel95のブック形式ファイル互換の表計算です。 結構Excelとの互換性があります。 |
? | パーソナルデータベース2 |
○ |
従来のパーソナルデータベースを強化したものでは無く、アイクルーズのMYコンテンツをよりわかりやすく、使いやすくしたものらしいです。 |
? | 地図ビューア |
別売MORE |
アルプス社のプロアトラスシリーズのデータから任意の部分を切り出してザウルスに転送、それを表示する機能です。 データが巨大になるので活用しきれるかは謎。 |
○ | ボイスメモ |
ボイスレコーダ |
ハードウェアのボイスレコーダの項目で詳説しています。 |
○ | 統合辞典 |
○ |
国語、漢字、英和、和英辞典の統合辞書です。 語彙数は少な目ですが、結構使えます。 |
○ | 電卓 |
○ |
四則演算とメモリしか無いシンプルな機能ですが、計算結果を他の機能に張り込んだり、他の機能からデータを電卓に張り込むことができます。 |
○ | 世界時計 |
○ |
12/24時間制の時計と時差を持つ世界各国を選択することで2国の時間を表示できる時計です。 |
○ | アクションプランナー |
○ |
スケジュール、アドレス帳、アクションリスト、自由帳/ワープロ、ワープロ、フォトメモリ、パーソナルデータベースの横断検索機能です。 検索結果を情報ファイルに登録することができます。 |
○ | インターネットWWWブラウザソフト |
FRAME完全 |
フレーム構造を持つページでもそのまま表示できるようになりました。 40bitのSSL対応、クッキー対応です。 SSLに関しては銀行系が128bitを使っている場合もあり、その場合はパワザウ3ではアクセスできない可能性があります。 |
△ | オートサーフィン |
INET録画 |
取り込みたいページを指定することで、毎日同じ時間に自動的にインターネット接続し、ページをライブラリに取り込みます。 曜日指定や1階層下のリンクまで巡回取得することができます。 従来のオートサーフィンとは違いフォルダの概念がないため、使い勝手が悪くなったと感じるかも。 |
△ | インターネットライブラリ |
新ライブラリ? |
ホームページデータを保存しておき表示することができる機能です。 |
△ | パソコン通信機能 |
× |
NIFTY SERVEやBIGLOBE、パソコン通信などに接続する機能ですが、搭載されていません。 この弊害でTELNETまで非搭載となりました。 |
◎ | インターネットメール |
強化 |
メールの送受信/受信メールの分類機能といった基本の他、CFカード上へのメールデータ転送及びCFカード上のメールを見ることができるようになりました。 また、情報ファイルにも登録できるようになりました。 POP before SMTPにも対応しています。 受信後のメールをサーバに残す設定もあります。 メール受信は複数のメールアドレスに対応できますが、1回の接続では一つのメールアドレスしか受信できません。 |
△ | FAX送受信機能 |
× |
標準搭載としても無し、MOREソフトによる供給も予定されていません。 |
○ | デジタルカメラカード |
CE-AG06 |
ハードウェアのデジカメの項目で詳説しています。 |
△ | ビデオ出力カード対応 |
× |
CFサイズのビデオ出力カードは用意されていません。 |
△ | 印字機能 |
× |
印刷機能も全く搭載されていません。 |
・標準搭載MOREソフト/データ
これだけで4.6MBも消費するの〜、と言いたくなるほど初期状態でのメモリを占有しています。
PC-Exchangeが搭載されないのは謎。(アイゲッティも未だにPC-Exchangeが搭載されていません)
機種 |
MI-C1 |
乗り換え案内 |
○ |
PCリンク簡単設定 |
○ |
Internet接続アシスト |
○ |
Zaurus PC Exchange |
× |
10円メール |
○ |
歳時記 |
○ |
生活便利電話帳 |
○ |
メニュー全般 | 使いやすくなり、ユーザーの定義自由度があがりました。 |
アドレス帳の改善 | 目的の相手にたどり着くまでの時間が短縮されました。 |
メール機能の改善 | CFカード上にメールを転送する機能とCF上のメールを読む機能が追加されました。 情報ファイルにメールを登録することができるようになりました。 |
スケジュール | この機能は好みが分かれるところですが、アクションリストとスケジュール間のクイックな移動ができない点がマイナスです。 6ヶ月カレンダが無いのも従来からのパワザウユーザーには気になるところかも。 |
インクワープロの改善 | 標準機能として搭載され、インクワープロ参照も復活しています。 清書時の候補選択時にその場で文字入力することができるようになりました。 |
インターネット | ブラウザは完全フレーム対応、SSL/クッキー対応と強化されています。 ライブラリも従来の1ファイルにまとめたものから、1ページづつを情報ファイルにまとめたものとなっています。 オートサーフィン機能に代わり、録画機能が用意されているようですが、これについてはオートサーフィン愛好家は否定的な評価をするのでは? |
順路に従って見て行けば一通りの情報を見ることができます。
順路 <メニュー全般>